今年から贈与税の計算が大きく変わり、相続時精算課税の選択を考えている方も多いと思います。
もし、相続時精算課税を適用した場合に、贈与者より受贈者が先に亡くなった場合の取り扱いについて記事にしたいと思います。
相続時精算課税は受贈者が贈与者より先になくなると前提が崩れる
相続時精算課税は文字通り、生前に贈与した財産やその贈与に対する贈与税を贈与者の相続のときに精算する制度です。
つまり、生前に父から子へ相続時精算課税制度を利用して贈与をし、贈与税の申告と納税をする。
その後に父の相続が発生すれば、贈与を受けた財産も相続財産としてカウントし相続税を計算、その相続税から納付済みの贈与税を差し引いて精算を行うことになります。
そのため、当事者の亡くなる順番というのは贈与者→受贈者の順というのが制度が想定する順番と言えます。
ただ、人が亡くなるタイミングは、イレギュラーなことが起きてしまうこともあります。もし、相続時精算課税を適用した受贈者が贈与者より先になくなった場合にはどうなるか次に見ていきます。
受贈者の相続人が相続時精算課税の権利・義務を承継する
相続時精算課税を適用した受贈者が贈与者より先になくなった場合には、その受贈者の相続人が相続時精算課税の権利・義務を承継することになります。
※当たり前といえば当たり前ですが、贈与者が相続人の場合はその贈与者は承継しません
では、具体的な流れを書くと以下のようになります。
①生前に父から子へ相続時精算課税制度を利用して贈与
子は贈与を受けた財産に対して相続時精算課税制度を適用して贈与税の申告・納税をします。
②子の相続が発生
子の相続人である子の妻と子供(つまり孫)が子の相続財産に対して相続税の申告・納税をします。
妻と孫は①の相続時精算課税を適用した贈与に対する権利・義務を承継します。
このとき、①の贈与財産も子の相続の相続財産としてカウントします。
例えば贈与財産が現金で、相続までに使い切っていたとかでなくなっていれば相続財産としてカウントする必要はありません。通常通り子の財産が相続財産になるとシンプルに捉えていいかと思います。
また、相続時精算課税の権利・義務は相続分に応じて承継することになります。
一方で子の相続財産を実際に分割する割合は相続分に縛られません。
③の時点の精算と②の相続での実際の分割した割合は切り離して考えて問題ありません。
③父の相続が発生
妻と孫は①の贈与について、権利・義務を承継しているので相続税の申告で精算をします。
繰り返しになりますが、②の相続時の実際の分割割合とは切り離して、単純に相続分に応じて精算をすることになります。
また、通常孫は代襲相続で父の相続人になるはずですが、妻は父の相続人ではありません。精算(申告)や2割加算の適用を忘れないようにしたいところです。
まとめ
今回は相続時精算課税制度を利用した場合のイレギュラーなケースについて取り上げました。
相続時精算課税制度は適用していませんが、これまでに子が先に亡くなるケースの相続税の申告は経験があります。決してないこととは言い切れません。
たまに今回の取り扱いは二重課税と言われたりします。
上述した②の子の相続時に課税があり、③の父の相続時にも課税があるからです。
ただ、通常の順番で相続が発生したとしても父の相続で相続時精算課税を適用して相続税の申告があり、子の相続でその贈与財産が残っていれば当然に相続税の課税があります。
これは相続時精算課税を適用していなくても同じことです。
したがって、特段二重課税というようなことでもないような気がします。
二重課税と言うのは、一次相続で孫に財産が移転することを前提にして言っているのかもと思ったりしますが、それだと前提条件が違うんじゃないかなと。
ただお得なイメージのある相続時精算課税を適用してこのような課税をされたらガックリくると思います。リスクの一つとして認識しておく必要があるかもしれません。
■編集後記
昨日はサムティからクオカードを優待で貰っていたので、それを消費しにコンビニへ。
コンビニは基本立ち寄らない分、立ち寄ったときに何が陳列されているか割と時間をかけて観察します。結局卵とか食パンとか普段食べているものを買って冒険できないですね。
かろうじての冒険がコーラのグミでしたが、コレは歯にくっついて失敗でした。
コーラ味ならダイソーに売っているコーラのキャンディがどこか懐かしくて好みですね。
■一日一新
コーラの塊(グミ)