インボイスが始まって2割特例を適用している方も多いと思います。
そこで、今回は2割特例の適用できる期間について取り上げてみようと思います。
2割特例が適用できる期間
2割特例は期間限定の制度です。
具体的には2026年9月30日が属する課税期間まで適用が可能とされています。
ちなみに課税期間とは個人の場合は暦年、会社の場合は事業年度を指すのが原則です。
個人で言えば2026年の申告まで、3月決算の会社なら2027年3月期の申告まで適用が可能なわけです。
したがって、個人なら、あと2025年と2026年の2年間しか2割特例が適用できません。
2割特例は納税額が預かった消費税の2割となりますし、計算も簡易課税と同様で簡単なものです。
そのため、この先2割特例が適用できなくなると面をくらうような方も出てくると思います。
まだ2年間ありますが、されど2年間しかありません。
2割特例がそれ以降は適用できないということは頭に入れておきましょう。
2割特例が終了するときの注意点
さて3年後の申告からは適用できないということで、どのようなことに注意すべきでしょうか。
この点、簡易課税の選択と納税額の増加に注意が必要です。
まず簡易課税の選択ですが、簡易課税とは預かった消費税のうち業種ごとに応じた割合を乗じた金額を納める消費税とすることができる制度です。
比較的納税額を通常の計算より低く抑えられる傾向がありますし、消費税の計算方法も売上部分をしっかり管理できれば計算できてしまうので、経理の手間という面でも有効です。
そんな簡易課税の制度ですが選択するには、原則適用したい課税期間の初日より前に届出が必要です。
一方、2割特例を適用した課税期間の翌課税期間から簡易課税を適用したい場合には、その課税期間中に届出を出せば簡易課税が適用できる特例が用意されています。
たとえば、2026年に2割特例を適用していたら、2027年中に届出を出せば2027年から簡易課税の適用ができるわけです。
また、仮に2024年の売上が1,000万円を超えていたといった理由で、2026年に2割特例を適用できなかった場合には、2026年中に届出を出さなければ2027年から簡易課税は適用できないと整理できます。
なお、2025年の申告で2割特例を適用していれば、2026年中に届出を提出することで2026年の申告から簡易課税が適用できますのでこの点も注意しましょう。
そして、2割特例が終了すると多くの場合、納税額が増えるという点も注意が必要です。
なんやかんや、2割特例を適用することで消費税の納税額がだいぶ少なくなっている方も多いと思います。
これが2割特例が終了すれば簡易課税で計算するのか原則課税で計算するのかは様々だと思いますが、ほとんどの場合納税額が増えるはずです。
たとえば、880万円の売上がある飲食店なら、2割特例が適用できるうちは16万円(880÷110×10×0.2)の納税で済んでいたわけですが、2割特例が終了して簡易課税で消費税を計算すると32万円(880÷110×10×0.4)の納税となります。
それだけ、納税資金を確保しておかないと、いざ納付をするときに困ってしまうわけです。
場合によってはメニューの改定などを考慮に入れる必要も出てくるかもしれません。
あとは、簡易課税を選択するならそうでもありませんが、原則課税で計算をするなら相応の経理の手間が増える点は覚悟が必要かなと思います。
まとめ
今回は2割特例が適用できる期間について取り上げてみました。
2割特例の申告も2年目を迎えていますので、だいぶ慣れてきたような気がします。
やはり納税額が預かった消費税の2割に固定化されるのはなかなかインパクトがあります。
また、簡易課税のように売上を業種ごとに分けるといったことも不要なのでより経理面でも手間のない制度だなと実感しています。
一方でこれに慣れきっているとちょっと怖い気もします。
今のところ2割特例は期間限定の制度です。
この先、制度の延長の話も出てくるかも分かりませんが、2027年からは制度が終了することを前提に対応を考えておきましょう。
■編集後記
今朝、愛犬の散歩に行ったらまた様子が変になりました。
先日様子が変になったときと逆回りですが同じ方角を回ったので、そっちの方に愛犬にスイッチを入れる何かがあるのかなと思います。
しばらくはそのルートは避けて散歩しようと思います。
■一日一新
幻想水滸伝Ⅰ リマスター版