倒産防止共済(略して「倒産防」)は使い勝手のいい節税方法としてよく挙げられると思います。月額最高20万円までの掛金を払った金額だけ経費にできますので、よく決算対策で駆け込みで加入して年払いをするなんて使い方も見聞きしますね。
そんな倒産防ですが、今年の改正で掛金を経費に計上することに制限が加えられました。今回はその改正内容等の話を書いてみようと思います。
倒産防で節税に制限が加えられた
倒産防はよく節税の手法として紹介されます。上述したように払った掛金の金額を経費に計上でき、月額最大20万まで、累計で800万まで掛金を払うことができます。
また、払い方も月払いが原則ですが、年払いも可能なので、ちょっと今年は利益が多いなというときに決算対策として加入して年払いをして、その後も年払いを継続なんてこともよくあるかなと思います。
そして、この倒産防ですが40ヵ月以上掛金を払えば、任意のタイミングで解約しても掛金の全額が戻ってくることになっています。
もちろんのこの戻ってきた金額については収入計上をすることになっていますが、その収入に対しては退職金なりその他のイレギュラーな経費を充てればいいということで、そこでの税負担はほぼなくすことができるので安心してくださいというような説明がされることが多いかなと思います。
そして、実際に解約をすればまた再度加入をして掛金を経費に…を繰り返していくわけです。わたしは後述しますが、あまりこの手の説明が好きではないのですが、世の中的には節税の方法として人気があるようで、それこそ節税目的での加入が問題視されていたようです。
結果、今年の10月以降に倒産防を解約して、その後に再加入した場合、解約の日から2年間は掛金を払っても経費に計上できないことになりました。
したがって、上述したように倒産防の加入と解約を繰り返して利益操作をするようなことに一定の制限が加えられたわけですね。
倒産防の節税はしょせんは課税の繰り延べ
わたしは普段倒産防については節税ということを強調してオススメはしないですね。
というのもしょせんは「課税の繰り延べ」だからです。課税の繰り延べとは税金の支払い時期を先延ばしするという意味です。
倒産防だと、たしかに掛金を払ったタイミングで経費は増えるわけですが、将来解約したタイミングでお金が戻ってくればその金額は収入に計上されるわけです。トータルの利益は同じであり基本的に税負担も変わらないです。
上述したように、将来の収入に対してはその時退職金なりなんなりを充てれば万事問題ないと、説明されがちな印象ですが、その収入に充てる経費は本来倒産防の収入がなくても発生するもので、仮にそのお金を定期積金で用意していたら、単純にその経費が計上され終わりです。
冷静に考えると結局はトータルの利益は同じわけで、節税を強調するにはちょっと弱いかなと思うのです。
倒産防の本来の目的はその名前のとおり取引先の倒産に伴う連鎖倒産を防ぐというものです。実際、倒産防に加入して、掛金を積んでおくことで、取引先にもしものことがあった際に掛金の10倍までの金額を限度に借入を受けられます。
この本来の目的のために加入するのが筋ですし、節税?効果はあくまでおまけくらいの気持ちで考えておくといいのかなと思います。
あとはこれは一長一短ではありますが、掛金を払うことでお金を強制的に貯めておくことができるという見方もあります。
つまり、お金にある程度余裕があってあれば使っちゃうかもという場合はメリットだという見方もできますが、40ヵ月掛金を払えば全額が戻ってくるにせよ自由に使えるお金をみすみすなくすということでデメリットであるという見方もできるわけです。
今回の改正も踏まえ倒産防についてはその意義を改めて見直し、本来の目的に沿って加入するかどうか検討したらいいかなと思いますね。
まとめ
今回は倒産防について、今年の10月以降に解約した場合の取り扱いの改正内容と、個人的な倒産防に対するイメージを書いてみました。
まあ、実際にお客様に加入を勧めて加入してもらった結果、目先の税金はいくらか減ったわけですし、会社の解散に伴い解約する予定で解約手当金は退職金に充てればいいという見込みが立つのでその話をするとお客様は喜んでくれましたけどね。
ただ、節税!ということで倒産防は積極的にはオススメしないですね。まして今回封じられてしまいましたが、解約と再加入を繰り返して節税!なんて提案をしようとも思わなかったです。
■編集後記
昨日はあさんぽで愛犬と一緒に志木市役所へ行ってきました。
涼しかったのでとても気持ちよく散歩ができました。
愛犬も久しぶりの河川敷の散歩を楽しんでくれたと思います。
昼間は息子をベビーカーに乗せて、マルイや事務所に行ってきました。
事務所には郵便物を受け取るだけでしたが。
息子はどうも乗り物に乗ると振動が心地いいようで寝てしまう傾向があります。
昨日も道中はほぼ寝ていました。
これから涼しくなるので、いろいろと連れ出したいなと思います。
■一日一新
息子と2人でマルイ