事業所得や不動産所得の計算で経費になる金額とは、ざっくり言えばその収入を得るために支出した金額です。この経費ですが、生計を一にする親族に払う金額については除外することになっています。
今回は生計を一にする親族に払う経費の取り扱いについてまとめてみようと思います。
生計を一にする親族に払った経費は経費にならない
事業をしていると、親族に対して、その事業にかかる経費として支払いをすることがあるかと思います。よくある例としては親族が所有する建物で営業をする場合です。
この場合、その親族に対して家賃を払うこともあると思いますが、その親族が自分と生計を一にする場合、その家賃は所得計算上経費にできないことになっています。
また、反対にその親族はその受け取った家賃に対して不動産所得の収入として計上する必要はないことになっています。つまり双方においてその家賃の支払いは所得計算上はなかったものとして扱うわけです。
このように扱う理由は、所得の低い親族に所得を分散することで所得税の不当な軽減をさせないためと言われています。
戦前の日本ではもともと、所得税は世帯単位課税という、世帯の所得を合算して計算する仕組みでしたが、戦後になってそれが現行の個人単位課税に移行するにあたって、親族への所得の分散による節税を防止するため同様の規定が設けられ、今でもその規定が残っているという歴史があったような。
ちなみに、この取り扱いの例外としての位置付けが青色事業専従者給与になります。つまり、同一生計親族に払う給与は本来はこの取り扱いで経費にならないわけですが、一定の申請をすることでその申請の範囲内で払う給与は原則同一生計親族だろうと経費にできるというわけです。
生計を一にする親族が払った経費は経費にできる
上述した内容は自分が生計を一にする親族に払う経費の話でした。ここで注意点が、その親族が払うその収入に係る経費は自分の経費にできるという点です。
上述した家賃の例で言えば、通常、親族は固定資産税や火災保険、減価償却費などがその家賃収入に対応する経費になるわけですが、その家賃収入はなかったものされることで、その経費が宙ぶらりんになってしまうわけです。
そこでこれら親族が払う経費については自分の経費としていいよという取り扱いがあります。
この点は結構漏れがちなので注意したいですね。
まとめ
今回は生計を一にする親族に払う経費の取り扱いについてまとめてみました。
実務ではこの取り扱いに出くわすことはそんなにないような気がします。無意識で青色事業専従者給与の案内をするときは一応は触れているということでいいかもですけど。
意外と忘れがちなのは親族側が払う経費を自分の経費に計上し忘れることかなと思います。特にこの取り扱いは使用貸借で借りていたとしても同様の扱いになるという理解なので、この場合はついつい親族が払う経費を計上していないこともあるかなと思います。
■編集後記
今日はライオンズの最終戦でした。相手は楽天です。
隅田投手が10勝をかけて先発しましたが、9回を投げて2失点、勝ち負けつかず、結局試合も同点で試合終了でした。
これで隅田投手は今シーズンを9勝10敗で終えたようです。
奇しくも去年と同じ成績です。
イニング数や防御率等は確実に良くなっていますが、二桁勝利に届かず残念ですね。
来年は打線が奮起して15勝くらいしてもらいたいですね。
■一日一新
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