所得税の世界では不動産賃貸業を事業的規模と業務的規模で分けることになっています。ちなみに事業的規模の方が規模が大きく、業務的規模は事業的規模に満たない規模というイメージです。
このように、不動産賃貸業を事業と業務に分ける理由は、所得税の計算において、例えば賃貸物件に損失が生じたときや青色申告の特典等で異なる取り扱いをするためです。
※事業の方が納税者有利
そのため、不動産所得の申告をする際は、まずは自分の不動産賃貸業が事業なのか業務なのかを検討する必要があります。今回はその判断基準についてまとめてみようと思います。
基本的には形式基準で判断する
不動産賃貸業の規模判定の基本はいわゆる形式基準と呼ばれる方法で行います。
形式基準とは賃貸の規模が以下のいずれかの規模以上であれば事業的規模と認めますよというものです。
- アパートやマンションの部屋数が10部屋以上
- 戸建ての場合は5棟以上
- 駐車場や土地の貸し付けについては、50台(件)以上
上記の基準からは、戸建て1棟の貸し付けはアパート2部屋の貸し付けに相当し、駐車場の貸し付けなら10台の貸し付けに相当することがわかります。
実務だと、もちろん単純にそれぞれの基準を満たすことで事業的規模と判断できることもありますが、たとえば、アパートの部屋数が6部屋で、戸建てを3棟貸しているなんてこともあり得ます。
そのような場合は個別に基準を満たすか考えると基準を満たさないことになってしまいますが、アパート6部屋は戸建て3棟分に該当しますので、実質的に戸建てを6棟貸していると考えて事業的規模と判断します。
このように形式基準で判断するならさほど難しいこともなく、自分の不動産賃貸業が事業的規模かどうかの判断が可能です。
とはいえ実態を見て判断をすることも
ここまで、不動産賃貸業の規模判定の基本は形式基準であることを確認しました。
とはいえ、形式基準を満たさないからといって、必ずしも事業的規模と認められないとは限りません。
つまり、家賃収入の金額や、物件の管理状況、他の所得の具合などを総合的に見て事業と言えれば事業と認められることもあります。
たとえば、割と広かったり立地のいい場所の戸建てを3、4件貸していてその家賃収入だけで生活をしているケースでしたら、形式基準は満たさないわけですが、実質的には事業だよねと判断されることも多いかなと思います。
形式基準を満たさいからといって、即事業として扱えないわけではないので注意しましょう。
なお、実際のところ判断に迷うケースもありますが、結局は自分なりに状況を整理をして事業として扱うと決めるなら、その根拠は後日税務署から問い合わせがあったときに答えられるようにしておくといいかなと思います。この辺は出たとこ勝負なところもあるかなと思います。
まとめ
今回は不動産賃貸業の事業と業務の判断基準についてまとめてみました。
基本的には形式基準での判定になりますが、実質的な判定でも認められることがあります。
ちょっと、この記事を書いていて思いましたが、最近だとミニマリスト向けに極狭物件なる物件も人気だとか見聞きします。
こうゆう物件だと部屋数は大分稼げそうですが、極狭物件が10部屋あれば事業と認めていいんでしょうか。
通常このくらいの延べ床面積の建物なら部屋数は何部屋だからとか言って換算をする必要があるのでしょうか。
まあ、極狭物件の需要がある場所は恐らくそれなりに立地のいい場所だと思うので、極狭物件と言えど相応の家賃収入が見込めそうです。そうするとある程度の家賃収入があり、文字通り形式基準も満たすので事業的規模という理解でいいような気もしますが。
実際、そのような事案に出くわしたら、ちょっと悩むだろうなと思います。
■編集後記
昨日はふじみ野のビバホームへ行ってきました。
こちらは、愛犬と運命の出会いをした場所です。
この手のホームセンターに行くと必ずペット売り場に立ち寄ります。
こちらのペットショップは近隣のペットショップに比べ、わりと珍しい犬種が多いです。
昨日も黒いチャウチャウがいました。
柴犬も何匹かいて、「家族が決まりました」のステッカーがチラホラ。
ペットショップでのお迎えは賛否がありますが、とりあえず「幸せに暮らしてね」と心の中で声をかけています。
■一日一新
パリパリチョコキャラメルミルクレープ ドトール