今回はポイントを使って商品を購入した時の消費税の取り扱いについてまとめてみます。
総額が課税仕入れになる
ポイントを利用して商品を購入した場合、消費税の計算ではポイントを利用する前の金額とポイントを利用したあとの金額のどちらを課税仕入にするのでしょうか。
つまり、220円の商品を購入し、このとき110円分のポイントを利用して残額の110円を支払ったとしたら、課税仕入になる金額は220円と110円のどちらになるかという話です。
答えは220円を課税仕入と捉えることになります。
所得税や会計の世界ではポイント利用時に110円を雑収入等で利益として認識しますが、消費税の世界ではこの利益は不課税、つまりなかったものとして扱うわけです。
仕訳で示すと次のようなイメージです。
仕入(課税仕入) 220 / 雑収入(不課税) 110
現金(不課税) 110
一応、このようにいわゆる総額で処理するのが原則的な考え方になります。
一方で、ポイントやその利用先によっては商品の購入価額からポイント利用額を直接値引いているようなケースもたまに見かけます。
このようなケースの場合は、その値引き後の金額を課税仕入として扱うことになります。
仕訳は雑収入を計上せずいわゆる純額での処理をすることになります。
また、この場合はインボイスを見てそちらに書いてある消費税額に合わせることを意識しましょう。
※特に一般税率と軽減税率が混在する場合
原則課税じゃなければ値引きとして認識しても問題ない
さて、ここまでポイントを利用して商品を購入した時の消費税の取り扱いの原則を確認しました。
ただ、総額での処理は何かと手間です。
できればやりたくないところです。
そこで、こういう人は総額での処理はせずに、とにかく純額で処理しても問題ないという点を確認しましょう。
この点、消費税の計算を原則課税でしていなければ、総額処理は基本的にしなくても問題ありません。
別の書き方をするなら、2割特例や簡易課税で消費税を計算する人は、ポイントを利用して商品を購入した際はポイントで値引いた金額で仕入を計上し、雑収入等を計上する必要はありません。
これは、2割特例や簡易課税で消費税の計算をする場合、売上だけきちんとカウントできていれば消費税の計算ができてしまうからです。
課税仕入については特にケアしなくてもいいわけです。
一応、状況によっては原則課税とそれ以外の計算方法でどちらかが有利かみたいな話もあるので、きちんと原則課税を想定した経理処理をしておくという考え方もありますが。
そのようなことをする必要がないと割り切れれば特に面倒な総額の処理をする必要はありません。
なお、所得税や会計の面から見ても最終的な利益は変わりませんのでこの点の心配は無用です。
手を抜けるところは手を抜いて経理を進めていきましょう。
まとめ
今回はポイントを使って商品を購入した時の消費税の取り扱いについてまとめてみました。
一応原則的な考え方は総額での処理となります。
ただ最近はインボイスも始まって、中にはポイントを商品の価額から直接値引いているようなことも見かけます。
この場合は、そのインボイスに合わせて純額で処理することになります。
また、こういった総額だ純額だの処理は、あくまで消費税の計算を原則課税する場合に求められることであって、2割特例や簡易課税で消費税を計算する際には、すべて純額で処理してしまっても特に問題はありません。
手を抜けるところは手を抜くこともオススメします。
■編集後記
先日、妻が愛犬のお腹に部分的にハゲになっている箇所を見つけました。
これはお迎えした当初にもかかったアレルギー系の病気かもしれません。
最近愛犬は病院とは無縁だったので、わたしたちも油断もあったかもしれません。
とりあえず様子見をするつもりです。
何事もなければいいのですが。
■一日一新
相続時精算課税選択届出書の作成