相続税の更正の請求の手続きは複雑です。
更正の請求の手続きとは
更正の請求の手続きとは、一度行った申告をやり直して税金を返してもらう手続きです。
同じ申告のやり直しの手続きである修正申告とは、まったく別の手続きです。
修正申告だと、納税者側が納税額はこの金額でと決めて納税まで済ませますが、更正の請求はあくまで納税額がこれだけ減るだろうから納めていた税金を返してと税務署にお願いするようなイメージになります。
したがって、申告したからといって必ずしも税金が返ってくるわけではなく、更正の請求をしてから税務署の審査があり、その審査が通れば初めて税金が返ってくるそんな流れになります。
そのため、更正の請求をする場合はその根拠資料をきちんと用意して提出することも大事になってきたりします。
そしてこの更正の請求の手続きですが、相続税の申告の場合、相続税特有の事情からちょっと複雑になっています。
相続税の更正の請求はちょっと複雑
相続税の更正の請求はちょっと複雑です。
まず、国税通則法という税法の総論的な法律※に更正の請求について規定があります。
※つまり、国税通則法で規定されている内容は相続税の申告でも適用されます
ここでは、①一般的な更正の請求と②後発的事由による更正の請求に分かれています。
①の方はそのままですが一般的な更正の請求で、他の税目でも更正の請求といえばまずはこれというものです。
内容としては、単純な計算ミスで課税標準だとか税額を多く申告していた場合には、その申告の申告期限から5年以内に限り、更正の請求を認めますよというものです。
②の方は、納税者にとってやむを得ない事由が生じたら、その事由が生じた日の翌日から2ヵ月以内の更正の請求を認めますよというものです。
これによって、①の期限後でも②を根拠に更正の請求ができるとよく説明されます。
ただここでいうやむを得ない事由というのは、まあ実務だとそうそう出くわさないようなものです。
一応そのような取り扱いがあるくらいでいいのかなと。
そして、相続税の申告の場合、さらにもう一つ更正の請求の取り扱いがあります。
それは相続税法に規定があり、相続という特殊事情を考慮して用意されているものです。
ここでいう特殊事情とは、たとえば一度未分割で申告した後に、分割を確定させて小規模宅地等の特例を適用して更正の請求をするような場合を指します。
このケースだと実は国税通則法の更正の請求はできない※のですが、そこを更正の請求ができるようカバーしているような格好になっています。
※計算間違いがあったわけではないから
そして、相続税法を根拠にした更正の請求をする場合はその事由が生じた日の翌日から4ヵ月以内に限り更正の請求が可能となります。
まとめ
相続税の更正の請求の手続きは複雑です。
先述したように国税通則法には2つ更正の請求の手続きについて規定があり、相続税法にも別に更正の請求の手続きについて規定があります。
また、それぞれ想定するケースが異なり、手続きの期限も異なります。
そして、更正の請求をする場合、自分のケースだとどの法律が根拠になるのかその点を見極めないと期限内に手続きが間に合わないとかそういったことが起こり得ます。
■編集後記
明日は交流戦明けの初戦ですね。
対するはファイターズで伊藤投手が先発、こちらは今井投手が先発のようです。
どちらも日本を代表する投手なのでこれは楽しみですね。
渡部選手もついに復帰らしいのでそちらも楽しみです。
■一日一新
ねじテスター