今年の4月1日から相続登記の義務化がスタートしました。
今回はこのことについて取り上げたいと思います。
相続登記義務化の概要
相続登記義務化の背景
以前から所有者不明土地が全国で増加していることが問題視されてきました。
所有者不明土地というのは、土地を相続した所有者が登記を行わない等の理由から、土地の登記簿謄本を見ても所有者が分からなかったり、所有者が分かったとしても所在が不明でその所有者に連絡がつかない土地を指します。
例えば、ひいおじいちゃんの代の登記が最後の土地があって、それ以降の相続で登記がされていないといった土地があったりするのです。そうすると相続人になり得る人がおじいちゃんの代、お父さんの代、そして自分たちの代と芋づる式に増えてしまいます。そうなると、最早誰に所有権があるのか特定できないといったこともあるのです。
こういった土地は全国で今なお増加中で全国の所有者不明土地を合計すると九州の面積を超えるといわれています。結構恐ろしいことだと思います。
そして所有者不明土地が放置されると、土地の管理が適切に行われないことによる周辺の環境悪化や災害対策といった公共事業の阻害等に繋がると問題視されているのです。
相続登記義務化の概要
こういった背景があり、今年の4月から相続した土地や建物の登記が義務化されました。
今年の4月以降の相続で土地や建物を相続した場合は、3年以内に登記をする必要があります。
もし、正当な理由もなく、3年以内に登記がなされない場合には10万円以下の過料を科すこともあるそうです。正当な理由というのは相続人が多数で全ての相続人を把握できないといったことが例として挙げられています。
同時に「相続人申告登記」という制度もスタートしました。
こちらは、遺産分割協議が整わないために3年以内の登記ができない場合に、この制度を利用することで相続登記の義務をとりあえずクリアしたとしてくれる制度です。
具体的には相続人が戸籍等の資料を添付して法務局に自分が相続人であると申し出ることになります。この申し出は単独でも他の相続人とまとめてでもできます。法務局は申し出があるとその内容をチェックして問題なければ法務局の職権で相続人の情報を登記してくれます。
過去の相続分も対象
4月1日からスタートした相続登記の義務化の制度ですが、実は過去に相続した不動産にも適用されます。
4月1日より前の相続で相続した不動産についても原則2024年4月1日から3年以内、つまり2027年3月31日までの登記が必要となるのです。
この点は忘れがちなので注意したいところですね。
まとめ
今回は相続登記の義務化について確認しました。
一応ペナルティがありますが、こういったペナルティは大抵は科されないことが多いような気もします。ただ以前に役員の重任登記を怠って、法務局からみなし解散をくらってしまった会社も見ていますので意外と侮れない気もします。その会社は度々の法務局からの催促も無視していたようなので、たぶん相続登記も即ペナルティはないような気もしますが。
ペナルティについて触れましたが、それとは関係なく、不動産を相続したら早めに登記を済ませましょう。所有者不明土地の問題もありますし、後の売買の時等の際に困るのは目に見えてますからね。
なお、国は所有者不明土地の問題を解決するために他にもいろいろな制度を考えているみたいです。
昨年の4月にスタートした相続土地国庫帰属制度といった制度がそれです。
こちらは要件が厳しいので、まだまだ期待されるような利用実績には至っていないのが現状ですが、今後要件等の改正もあるのだろうと思います。
他にも次のような制度がスタートする予定です。
- 住所変更登記の義務化（2026年4月スタート）
- 所有不動産記録証明制度（2026年2月スタート）
- 他の公的機関との情報連携により所有権の登記名義人の住所等が変わったら不動産登記にも反映されるようになる仕組み（2026年4月スタート）
それに登記費用を軽減するための措置も検討するみたいです。
国もなんとかしようと必死です。
個人的にも未登記の不動産が上手く減ってくれるといいなと思います。
その不動産に何も関係の人が不法占拠して実質の所有者になってしまうようなことで日本が侵食される気がして怖いです。
■編集後記
昨日は久しぶりにゲゲゲの鬼太郎を見ました。
知っていはいましたが、猫娘がずいぶんかわいくなったと妻と共感しました。
アクションもかっこよかったし、しっかり狂気も描かれていて見応えがありました。
そういえば保育所時代はゲゲゲの鬼太郎のアニメを好きでよく見ていた気がします。
■一日一新
俺たちの箱根駅伝 Audible
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
