今回は財産をたくさん持っているけれど、収入が年金収入しかないような親が子供の扶養に入れるのか、そんな話を取り上げてみようと思います。
扶養控除の要件に財産の要件はない
扶養控除の要件に「財産が○○万円以下であること」といった要件はありません。
基本的に親を扶養に入れる場合の要件としては次の3点が挙げられます。
- 親と子供が同一生計であること
- 親の所得が48万以下であること
- 税務上の専従者でないこと
したがって、どんなに大きな実家を持っていても、預金が何千万もあったとしても、上述した要件を満たせば扶養に入れるという理解になります。
ポイントは同一生計かどうか
そこで親を扶養に入れる際の最大のポイントが親と子供が同一生計かどうかという点です。
この点、親と子供が同居していれば、よっぽどお財布をキッチリ分けているといった事情でもなければ同一生計という理解でいいことになっています。
なので、親が扶養控除の所得要件をクリアするくらいの収入しかないようなら、まず同居している限りは同一生計でいいのかなと思います。
一方で同居をしていないケースだと、定期的に生活費や療養費等の送金を行っている場合に限り、同一生計と判断していいことになっています。
たとえば、親の財産として実家と3,000万ほどの預金があったとして、収入が所得ベースで48万以下の年金しかなかったとします。
この場合、親の年齢等を考えれば、年金収入と預金の取り崩して、まあなんとか暮らしていけそうという判断もできるかも分かりません。
しかし、ここで生活費として月数万円を渡して、なるべく3,000万の預金は何かあったとき用にとっておくといったことをすれば親は子供と同一生計と考えていいわけです。
なお、別居の場合で生活費等の送金はしない一方で、介護も含めた生活面のサポートはしていることもあると思いますが、この場合、同一生計になりませんので注意が必要です。
心情的にはこの場合も同一生計ということにしてもいいような気もしますが。
まあ、親族間で介護等の生活面のサポートをするのは当たり前ということなのかもしれません。
まとめ
扶養控除の要件に財産の要件はありません。
なので理屈上は財産がいくらたくさんある親でも、同一生計でかつ所得が48万以下なら、子供の扶養に入れることになります。
余談ですが、この話で毎回疑問に思うのですが、別居の場合で、子供が親にではなく、親が子供に生活費等を送金していたとして、他の要件を満たしていたとしたら子供の扶養として親を入れていいのでしょうか。
この点、法律等を読む限りだと親と子供は同一生計で問題なさそうですがどうなんでしょうか。
まあ、道理的によくないですし、実際そんなことあるのかという話もありますが。
また、子供にそれなりの収入があれば、それは生活費等の送金ではなく単なる贈与と考えることもできるような。
そしたら、この子供の扶養控除の判定において、親から子へ資金の送金をしていることで同一生計と捉えるということはないということで問題なさそうな気もしますがどうでしょうか。
■編集後記
昨日は映画の国宝を見に行きました。
Audibleで原作の下巻の途中までは聴いた上での参戦です。
結構原作から改変されているなという印象で、特に徳次の出番が少なかったことが気になりましたがしっかり楽しめました。
また、先日、ババンババンバンバンパイアの映画を見ていたので、吉沢亮さんの演技の幅に驚くばかりです。
■一日一新
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