親や祖父母から贈与を受けたあとに、ちょうどそのタイミングで海外転勤が決まるケースがあります。
または、海外転勤への餞別だということでまとまったお金の贈与を受けるようなことも想定されます。
そうすると、もう海外に行ってしまうからその贈与について申告は不要なのではと思いがちですが、贈与税の申告義務が消えることはありません。
今回はその取り扱いについて整理してみます。
海外転勤をするにしても贈与税の申告は必要
まず大前提として海外転勤をして申告をする頃には海外に住所があるような生活を送っていたとしても、日本で受けた贈与については申告が必要です。
一応、贈与時点でその贈与者と受贈者が日本に住んでいるかといった点を考慮して課税財産の範囲(国内財産と国外財産)が変わったりする取り扱いがあったりしますが、海外転勤前に贈与を受けている以上、普通の日本で行われた贈与と考え当然に贈与税の課税が発生します。
なお、海外転勤後に贈与を受けたとしても贈与者が日本に住んでいるなら、どのみちすべての財産について日本の贈与税が課税されますし、そうでない例外のケースに該当したとしても、日本国内の財産の贈与については日本の贈与税の課税があります。
わたしが税理士試験の勉強をしていたころは、たしかもう少しこのへんの課税財産の範囲の取り扱いが緩かったと記憶していますが。
いろいろあの手この手で課税逃れをする人がいたために改正されてきた歴史があるようです。
海外転勤の時期に応じた申告が必要
では、本題ですが、贈与を受けたあとに海外転勤をする場合、その海外転勤のタイミングによって申告の方法が変わってきます。
贈与を受けた年の翌年1月1日~3月15日の間に海外転勤する場合
この場合は、出国までに自分で贈与税の申告を済ませるのが基本になります。
出国前にその贈与年の贈与は確定するだろうから、贈与税の申告ができるでしょということなのかなと思います。
なお、出国までに納税管理人を税務署に届出すれば、通常通りの期限(翌年2月1日~3月15日)で申告することができます。
ちなみに、納税管理人とは海外に住んでいる人の代わりに日本でその人の税務申告をする人のことです。
通常はその人の親族か税理士が担当することが多いです。
贈与を受けた年に海外転勤する場合
この場合は出国までにその年の贈与が確定しません。
年内の出国ということは、出国後に贈与を受ける可能性もあるからです。
したがって、この場合だと出国までに申告をすることは求められません。
その代わりに、ここでも納税管理人の届出をして申告をする必要があります。
なお申告期限は通常通り、翌年の2月1日~3月15日です。
まとめ
贈与を受けたあとに海外転勤をする場合でも、贈与税の申告義務はなくなりません。
転勤の時期によって、出国前に自分で申告するか、納税管理人を届け出て申告・納税を代わりに対応してもらう必要があります。
海外転勤をするとなると転居や仕事の準備等で忙しくなりがちですが、贈与を受けた以上は贈与税の申告を忘れずにするようにしましょう。
■編集後記
ティファールの電気ケトルがリコールのようですね。
我が家にあるものも対象でした。
実家にも同じものを同じ時期に買っていたのでそちらも手続きが必要そうです。
でも、もう数年は使っているし、特に我が家にあるものは息子のミルクを作るのに大車輪の活躍をしてくれたので、これで新品に交換ならちょっとラッキーな気がします。
まあ、火災にならなかったから言えることかもしれませんが。
■一日一新
未希ライフ ※りんご