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賃貸アパートを売ったときの税金の取り扱い

税金

賃貸アパートを売るとき、税金はどうなるのでしょうか。
今回はその基本的な取り扱いをまとめてみようと思います。

譲渡所得として課税される

アパートを売ったときに出る利益や損失は「譲渡所得」として課税されます。

アパートで得てきた賃貸収入は、不動産所得として申告してきたので、そのアパートの売却損益も不動産所得として申告すべきと考えがちですが、売却損益は譲渡所得として課税されます。

譲渡所得の基本の計算式は次のとおりです。

譲渡所得 = 売却収入 −(取得費+譲渡費用)

通常、譲渡所得の計算でやっかいなのが「取得費」です。

しかし、賃貸アパートなら、決算書の貸借対照表や固定資産台帳にその金額が載っているはずです。
基本的には、去年の固定資産台帳の未償却残高に今年の売却時までの減価償却費を引く(または引かなくてもOK)ことで取得費を計算できます。
もちろん、これまでの減価償却の計算が正しく行われていることが前提ですが。

譲渡所得の税率は、そのアパートの所有期間※が5年を超えるかどうかで決まってきます。
※賃貸アパートを買ったときから、売った年の1月1日までの期間

5年を超えれば税率は住民税込みで約20%、5年以下だと約40%となります。

なお、譲渡所得には特別控除の特例がありますが、賃貸アパートを売る場合には基本的に特例の適用がないことがほとんどかなと思います。

収用絡みで売ったとか、アパートの土地を2009年なり2010年に買っていたとすれば別ですが、そういった特殊事情がなければ特別控除が受けられることはありません。

赤字が出ても他の所得とは相殺できない

注意点として、アパートを売って損失が出ても、他の所得(たとえば不動産所得や給与所得)とは相殺できません。
これを「損益通算」といいます。

マイホームを売った場合は、住宅ローンが残っているなど一定の条件を満たせば、損益通算が認められる特例もありますが。

賃貸アパートなどの事業用不動産の売却損は、他の所得との通算はできません。
一応、もし同じ年に他の不動産を売っていて売却益が出ていればその売却益と相殺は可能です。

一方で、会社が自社で持つ賃貸アパートを売る場合には、すべての損益をまとめて会社の所得として計算するため、結果的に他の利益と相殺することができます。

この点は、個人と会社で大きく違うポイントですね。

まとめ

まとめると、

  • 賃貸アパートの売却損益は譲渡所得として課税される
  • 売却損が出ても他の所得とは相殺できない
  • 会社所有の場合は会社の損益として相殺が可能

ということになります。

最後に、なぜ個人の場合には賃貸アパートの売却損について損益通算ができないのでしょうか。

この点、含み損のある不動産を事業転用したり、所得のある家族に贈与してから売ることで、租税回避ができてしまうからだったような気がします。

まあ、分離課税の譲渡所得で基本的に損益通算の対象外。マイホームだけ例外の取り扱いがあるくらいにしか普段は認識していませんが。

理屈を考えていくと、たしかそんな感じだったような気がします。

所得税や相続税(贈与税)はそれぞれが絡んでよくできているわけですね。


■編集後記
今日は久しぶりにすき家でランチを食べました。
以前は500円でサラダと味噌汁がついた牛丼のランチセットが食べれたと思いますが、今は100円値上げして600円になっていました。
でも、量も依然としてしっかりしていますし、味も久しぶりに食べたのもあるかもしれませんがずいぶん美味しかったです。
最近は深夜料金も取るようですし、適切に値上げして質を落とさないようにしているような印象を受けました。

■一日一新
ローストチキン 調理