賃貸アパートを相続すれば、その後はその相続人がその賃貸アパートの収入について不動産所得の申告が必要になります。
ここでつまづきやすいのが、相続したアパートの減価償却の計算です。
今回は、賃貸アパートを相続したときの減価償却の考え方についてザックリとまとめてみようと思います。
基本は「取得価額」などのデータをそのまま引き継ぐ
まず、原則として、相続(または贈与)によってアパートを取得した場合、亡くなった方(贈与した方)の計算データをそのまま引き継ぎます。
具体的には以下の内容を引き継ぎます。
- 取得価額(親がその物件をいくらで買ったか)
- 耐用年数
- 取得日(親が購入した日。将来売却する際の「長期・短期」の判定に使います)
- 未償却残高(まだ経費になっていない金額)
イメージとしては、亡くなった方の決算書(減価償却費のページ)の内容をそっくりスライドするような感じですね。
ただし、「減価償却の方法」だけは注意が必要です。 計算の基礎データは引き継ぎますが、「計算方法(償却方法)」自体は、相続があった日を基準に判定します。
たとえば、親が昔に建てた物件で「旧定額法」で減価償却をしていたとしても、今年、相続したなら「定額法」を採用することになります。
全部をまるっと引き継ぐなら分かりやすいですが、一部引き継がないものもあるのでややこしいですね。
中古資産の耐用年数の特例は適用できない
もうひとつ間違いやすいポイントがあります。
それは、中古資産の耐用年数の特例が適用できないという点です。
通常、中古物件を買った場合、この特例を適用して、短い期間で償却することができます。
しかし、相続の場合は、この特例は適用できません。
先述したように、相続したアパートに関しては親の耐用年数をそのまま引き継ぐためです。
仮に、親がもともと中古物件を買っていて、特例を適用して償却していたなら、その耐用年数を採用することになりますが。
なお、相続や贈与でアパートを取得したとしても、限定承認や負担付贈与という形式で取得したなら、特例を採用することは可能です。
これは、これらの形式での取得は、税務的には「譲渡」と捉えるためです。
まとめ
賃貸アパートを相続したときの減価償却のポイントは以下のとおりです。
- 取得価額や耐用年数などのデータは、親のものをそのまま引き継ぐ
- 償却方法は、相続のタイミングを基準に判断する
- 相続した物件には、中古資産の耐用年数の特例は使えない
減価償却費の計算は、毎年毎年繰り越していくものなので最初が肝心です。
最初の確定申告で間違えると、その後の確定申告でも間違えてしまいますので、不安な方は税理士や税務署に相談してみましょう。
■編集後記
今日は優待券の消費も兼ねて、家族でヤマダデンキへクリスマスプレゼントを買いに行きました。
息子にどれがいいか選ばせたら、やっぱりトミカになりました。
あとは、親的に片付け用の何かがあるといいなということでおかたづけコンボイも買いました。
まだ、クリスマスプレゼントの概念も分からないと思うので、普通に一緒に買ってしまいましたが、来年からは恐らく内緒で買うようにしないといけないですね。
■一日一新
リンガァグミ
