家族にお給料を払う場合、所得税の基本的な考え方では、そのお給料は原則として経費になりません。
一方で、一定の要件を満たせば例外的に経費として認められる制度があります。
それが「青色事業専従者給与」で、あらかじめ届出を行い、その届出の範囲内で支払った給与については、経費にできます。
ただし、この青色事業専従者給与は、経費として認められるための要件が意外と厳しいです。
今回は、その中でも割とよく論点に挙がる、
「未払にしていても経費にできるのか」
という点について書いてみます。
未払だと経費にできない
結論から書くと、青色事業専従者給与は未払だと、原則として経費にできません。
青色事業専従者給与が適法に経費として認められるためには、
- 青色事業専従者給与に関する届出書を提出していること
- 家族が青色事業専従者に該当すること
- 届出書に記載した金額の範囲内の支払いであること
- 実際に支払いが行われていること
- 仕事内容等に見合う金額であること
が大まかな要件とされています。
つまり、「払う予定だった」とか「帳簿上は計上している」というだけでは足りず、
現実にお金が動いていることが求められます。
もっとも、実務上は資金繰りの関係などで、やむを得ず一時的に未払処理をするケースもあります。
その場合でも、
- 未払金としてきちんと経理されていること
- 短期間のうちに実際に支払われていること
- 未払が常態化していないこと
といった事情があれば、経費として認められる余地はあります。
なお、「どのくらいの期間までなら未払でも大丈夫なのか」という点については、明確な基準はありません。
ただ、感覚的にはできれば半月以内、遅くとも一月以内には支払っておきたいところかなと。
この点、会社が支払う役員報酬は、原則として未払であっても他の要件を満たす限り経費として認められます。
それと比べると、青色事業専従者給与の取り扱いは、かなり厳しめだと感じます。
支払ったことを証明するために
未払かどうかに限らず、家族間のお給料は「払った・もらった」という事実が曖昧になりがちです。
実際のところ、
- 給与明細を作っていない
- 実際には支払っていない
- 源泉税などを考えず、額面どおりに払ってしまっている
といったケースを見かけることもあります。
しかし、これらはいずれも青色事業専従者給与の要件を考えると、かなりリスクがあります。
税務署に不要な疑いを持たれないためにも、
- できる限り振込で支払うようにして通帳に履歴を残す
- 給与明細をきちんと作成する
といった対応はしておきたいところです。
仮に現金で支払う場合であっても、
給与明細を発行し、いつ・いくら支払ったのかが分かる形にしておくのが望ましいでしょう。
一時的に未払になってしまった場合も、その後いつ払ったかがポイントになってきますので、当然後から支払いの事実を証明できるようにしておくのが好ましいですね。
まとめ
青色事業専従者給与は未払のままでは原則として経費にできません。
資金繰りの関係等、やむを得ない事情があって未払となり、その後短期間に支払いが行われていれば経費として認めてもらえる余地はありますが。
未払の状態がずっと続いている、支払いの事実が証明できないといった状況だと、経費として認めてもらえないリスクがあるので注意しましょう。
青色事業専従者給与を経費にする場合は、適切に支払いをして、証拠となる資料もきちんと残っている、そんな状態を意識するようにしましょう。
■編集後記
妻と息子は、明日が仕事納めと年内最後の登園日のようです。
一方、わたしの方は正月だからといって特別な区切りはなく、これまでどおり仕事を続ける予定です。
もっとも、息子が一日家にいるとなると、さすがにすべてを妻任せというわけにもいかないのでペースは乱れると思いますが。
まだ正月休みが始まってもいませんが、できるだけ早く、生活リズムが通常モードに戻ってほしいなと思っています。
■一日一新
ゆりかご倶楽部と陰地名人の利用手続き

