不動産を貸していると、どうしても避けられないのが「家賃の未回収」です。
最初は滞納だったものの、最終的には回収できずに終わってしまうケースもあります。
このような未収家賃について、
「いつの経費にできるのか」
という点は、意外と勘違いが多いところです。
実は、不動産賃貸業の規模が事業かどうかによって、税務上の取り扱いが変わってきます。
不動産賃貸業の規模に応じて、取り扱いが変わる
不動産賃貸業(不動産所得)は、規模によって「事業」と「業務(事業以外)」に分けられます。
その判断の目安としてよく使われるのが、いわゆる5棟10室基準です。
- 戸建てなら5棟以上
- アパートやマンションなら10室以上
この基準を満たす場合、原則として「事業的規模」と扱われます。
それぞれの規模に応じた未収家賃が回収不能になったときの取り扱いは以下のとおりです。
事業的規模の場合
事業として行っている不動産賃貸業で、未収家賃の回収が不能になった場合は、
回収できなくなったタイミングで「貸倒損失」として経費にします。
つまり、何年分の家賃かは関係なく、
「もう回収できない」と判断した時点でまとめて経費になる、というイメージです。
業務的規模の場合
一方、不動産賃貸業が業務的規模の場合は、取り扱いが異なります。
この場合、貸倒損失としてその年の経費にするのではなく、
その家賃収入が発生した年にさかのぼって、その家賃収入がなかったものとして扱うことになります。
したがって、すでに確定申告を終えている年については、
更正の請求という手続きを行い、納めすぎた税金を取り戻すことになります。
業務的規模の場合は、不動産所得が限度となる
業務的規模で、未収家賃の貸し倒れについて更正の請求を行う場合、
注意したい点があります。
それは、
「なかったもの」とできる金額には、不動産所得の金額を限度とする
という点です。
たとえば、
- 2025年に回収不能が確定した2024年分の未収家賃:50万円
- 2024年のもともとの家賃収入:120万円
- 2024年の不動産所得:40万円
この場合、家賃収入を120万円 − 50万円 = 70万円
として申告し直すわけではありません。
あくまで、不動産所得が限度となるため、
家賃収入は 80万円(120万円 − 40万円) として申告する形になります。
業務的規模で不動産所得自体が少額だとこの制限に引っかかることもあるので注意が必要です。
まとめ
回収できなくなった未収家賃の取り扱いは、
不動産賃貸業が事業的規模かどうかで異なります。
- 事業的規模
→ 回収不能が確定した年に「貸倒損失」として経費計上 - 業務的規模
→ 家賃収入が発生した年にさかのぼって、更正の請求を行う
まあ、実務上、業務的規模の場合に素直に更正の請求をするかどうかは人によってマチマチでしょうが。。
それと、今回は振れませんでしたが、そもそもいつのタイミングで未収家賃を回収不能として捉えるかという論点もあります。
夜逃げとかだと分かりやすいですけど、単に家賃を払ってくれない入居者がいる場合等ではこのへんの判断が難しかったりします。
■編集後記
妻の話によると、保育園のお迎えの時間になると、いつも決まってぐずってなかなか帰りたがらない息子と同級生の子がいるそうです。
毎回、その子のお母さんはかなり苦労しているとのことでした。
その点、息子は「保育園に行きたくない」と言うことも、「おうちに帰りたくない」と駄々をこねることも、今のところあまりありません。
そう考えると、そのあたりは助かっているなと感じます。
あれを毎日やられるとやっぱりしんどいですよね。
■一日一新
喫茶ルビー
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