法人成りをすると、それまで個人事業主として行っていた事業を会社が引き継ぐことになります。
そのため、個人側の消費税の申告もそこで終わるように思えますが、そうとは限りません。
個人の消費税申告は法人成りした年まで
法人成りをする場合、基本的には、それまで個人事業主として行っていた事業を廃業し、会社がその事業を引き継ぐことになります。
そのため、個人事業主側では事業を廃止したとして「事業廃止届出書」を提出し、廃業した年までの消費税について申告をして、それで個人側の事業は終了、消費税の申告も完結と考えます。
ただし、法人成り後も個人側で何らかの事業を続けている場合には話が変わってきます。
法人成り後も個人で事業をしている場合
たとえば、会社を設立したあとに、個人が所有する自宅の一部を会社に貸して家賃を受け取るケースがあります。
また、作家の方が、会社に著作権を利用させ、その対価として会社から著作権使用料を受け取るようなケースも考えられます。
こうした取引は、法人成り前の事業とは別のものではありますが、消費税では「事業として」行っているものとして扱われます。
消費税における「事業」は、所得税でいう事業所得に該当するか、不動産所得でいう事業的規模に該当するか、といったこととは別の考え方です。
反復、継続、独立して行っているかどうかで判断され、その規模は問いません。
そのため、法人成り後も個人側でこうした取引を継続しているのであれば、「個人の事業は完全に廃業した」とは考えないことになります。
もちろん、個人側で事業をしているからといって、必ず消費税の申告が必要になるわけではありません。
そもそも、前々年の課税売上やインボイスの登録状況などを確認したうえで、納税義務があるかどうかを判定することになります。
なお、実際のところ、法人成り後に会社からそれほど多くない金額の家賃を受け取っているようなケースでは、真面目に対応していないこともあるようにも思いますが、どうでしょう。
たまに講演をするくらいなら
一方で、法人成り後に、個人で講演やセミナーを依頼されることもあるかもしれません。
たとえば、年に数回程度、以前から付き合いのある会社などから講演を依頼され、その都度、個人で報酬を受け取るようなケースです。
このようなものまで、法人成り後も個人で事業を続けているとして消費税の申告が必要になるのかというと、必ずしもそうではありません。
セミナーを自主開催しているとかだと、また話が違ってくると思いますが。。
このあたりは、結局のところケースバイケースですね。
いずれにしても、法人成り後に個人で何らかの収入を得たからといって、すべてを消費税の課税売上として考える必要はありません。
どのような取引を、どのくらいの頻度で行っているのかを見ながら、個人側で消費税上の「事業」を続けているのかを判断することになります。
■編集後記
雨の日がずっと続いていますね。
また台風も来ているようですが、予報を見る限り、埼玉は直撃とはならなそうです。
早く天気が安定してほしいものです。
■一日一新
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