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普段の経理で軽減税率を意識するかどうかの基準

経理

今回は普段の経理で軽減税率を意識するかどうかの基準を記事にしたいと思います。
※10%の税率を一般税率、8%の税率を軽減税率と呼称しています

消費税の免税事業者なら意識はしなくていい

まず、消費税の課税事業者かどうかが第一のポイントです。


軽減税率は消費税の話です。
そのため、消費税の免税事業者なら例え、販売している商品に軽減税率が適用される商品があったとしても、軽減税率の商品の売上と一般税率の商品の売上を分ける必要はありません。
また仕入や経費についても同様に分ける必要がありません。


免税事業者なら普段の経理では軽減税率(というより消費税)はスルーでも問題ないと覚えましょう。※消費税の還付を受けたいとか、将来的な課税と免税の判断といったことは免税事業者でも検討が必要です


もし課税事業者に該当すれば、慣れないうちは以下のように売り手としての基準と買い手としての基準に分けて考えるといいです。

売り手としての基準と買い手としての基準

売り手としての基準

売り手としては、当たり前といえば当たり前ですが軽減税率の商品があるかどうかで考えます。


一般税率の商品だけを販売している、軽減税率の商品だけを販売している、一般税率と軽減税率の商品をそれぞれ販売しているの3パターンがありますが、混在しているケースだけは普段の経理からそれぞれの税率の売上を分けて管理する必要があります。


例えばコーヒ豆のお店なら、コーヒー豆やテイクアウト用ドリンクの販売は軽減税率、イートイン用のドリンクの販売や器具の販売は一般税率とそれぞれ分けて売上を管理する必要があります。


課税事業者で、売上が一般税率と軽減税率が混在している場合はそれぞれを分けて集計しないと適切な消費税額の計算ができません。
また、決算でまとめて整理をするのも手間になることが多いので普段の経理から分けて売上の管理をするようにしましょう。

買い手としての基準

買い手としての基準は少し複雑になります。
消費税の計算方法のどれを適用するかで判断します。

■2割特例を適用する場合(原則2年前の売上が1,000万以下+インボイス申請)
インボイスを発行するために課税事業者になった免税事業者は、売上の消費税の2割を納めればいいという計算方法を適用でき、これを2割特例と言ったりします。
この計算方法を適用する場合は、仕入や経費で軽減税率を分ける必要はありません。

■簡易課税を適用する場合(2年前の売上が5,000万以下+簡易課税の届出)
業種に応じた一定割合を消費税の計算上、経費にする計算方法を簡易課税と言います。
この計算方法を適用する場合も仕入や経費で軽減税率を分ける必要はありません。

■原則課税を適用する場合(上記以外)
原則課税というのは、仕入や経費の消費税を厳密に集計して消費税額を計算する計算方法です。
この計算方法になる場合は軽減税率は厳密に分ける必要があります。


まとめると、消費税の計算方法には、売上の消費税の一定割合を消費税の計算上経費にする方法と、厳密に売上の消費税から仕入や経費の消費税を差し引いて計算する方法の2パターンに大別できます。
前者の場合は普段の経理では軽減税率は無視でも問題がなく、後者の場合には軽減税率を無視してはいけないとなります。

まとめ

今回は普段の経理で軽減税率を意識するかどうかの基準をまとめてみました。
意外と、軽減税率を無視していい状況でもしっかり分けて経理しているケースを見かけます。
※逆も意外と多いですが。。


もし、軽減税率を無視していい状況で、経理をなるべく省略したい場合は、軽減税率は無視すると割り切りましょう。割り切るといくらか経理が楽になるはずです。


もちろんあえて、軽減税率を無視していい状況でもしっかり分けて経理するのもアリです。
わたしは消費税の計算方法に関わらず基本的にはちゃんと分けて経理しておくことが多いです。


というのも逐一このお客様はどうかと判断するのが意外と手間なので一律でちゃんと経理すると決めておくとかえって効率的だったりするためです。
また、計算方法の有利不利判定の際にもできればちゃんと分けて経理しといたほうがより正確な判断もできます。


あとは、最初からあえて軽減税率を無視するという考え方もあります。
仕入や経費の軽減税率に限定するとは思いますが、そこまで税額に影響がないから軽減税率の支払いも一般税率で経理すると割り切っていると言っている税理士に以前出会ったことがあります。


個人的には大勢に影響がないからいいという考え方はこの消費税の計算においては好きじゃないですね。うっかり間違えたは問題ないですが。


結局、自分でどこまでリスクを負うかで判断するべきなのかもしれないですね。


■編集後記
昨日はナチュラルボーンチキンという本をAudibleで聴き終えました。
ナレーターが声優の日笠陽子さんなので聴いてみました。
Audibleは意外とナレーターで本を選ぶことも多いです。
村上めぐみさんという食堂のおばちゃんシリーズを朗読している方が好きで上手だなと聴いています。

■一日一新
ナチュラルボーンチキン Audible
バースデイ朝霞店
西松屋朝霞店