役員賞与は利益操作を防止する観点から、事前の届出通りに支給することが求められます。
とは言っても、届出通りに支給ができない、もしくは変更したくなることは起こり得ます。
今回はそんなときの取り扱いについて確認します。
届出通りに支給をしないと経費にならない
役員賞与は届出通りに支給をしないと経費にできません。
これを事前確定届出給与と呼びます。
役員賞与に関してこのような縛りがあるのは、自由に役員賞与を払って経費にすることを認めてしまうと簡単に利益操作ができてしまい課税の公平が保てないからと言われています。
したがって、その名の通り、事前に届出を出してその通り支給をする分には賞与を払うときの利益を見て金額を決めるわけではないので利益操作にもならない、それだったら法人税の計算でも例外的に経費に認めますということになっているわけです。
この届出通りに支給をするというのはなかなかシビアな判定がされます。
役員賞与に関しては粛々と届出通りに金額も支給日も守って支給をすること肝要です。
届出通りに払わないときの取り扱い
先述したように、役員賞与は届出通り支給しなければ経費にできません。
ただ、例外として「臨時改定事由」や「業績悪化改定事由」というものに該当すれば、変更の届出をすることで、その届出の金額で支給することが認められます。
前者の事由だと、たとえば相続等をきっかけに後継者として社長に就任した場合や病気で入院して役員の仕事ができなくなった場合が考えられます。
後者の事由は、わかりやすいのがコロナです。
コロナのときも役員報酬を事業年度の途中で下げても問題ないような取り扱いがあったと思いますが、それくらいの理由で業績悪化があれば認められる特例になります。
なお、先述したように事前確定届出給与の考え方に利益操作の防止というものがありますので、この「臨時改定事由」や「業績悪化改定事由」に該当するかどうかの判定は相応に厳しいことが考えられます。
単純に今期の業績が良かった、悪かったというだけで変更届出を提出してもそれでは変更は認めてもらえないので注意しましょう。
それと、業績が良くないときは、役員賞与をまったく払わないという手があります。
役員賞与をまったく払わないなら、法人税の計算で否認する(経費から除外する)金額もないので、法人税の金額に影響もありません。
下手に届出より少ない金額を払うよりは、まったく払わないのも手であることは頭に入れておきましょう。
まとめ
今回は役員賞与を届出通りに払わないときの取り扱いということで、変更届出の話等を確認しました。
なお、今回の話はあくまで法人税の話です。
法人税で経費にできなくても好きな金額の賞与を支給してしまうのもそれはそれでアリです。
もちろん、その賞与については法人税で経費にならない一方で、所得税や社会保険料等がかかりますが。
賞与を払うこと自体は法人税法で縛っているわけではないのでその点も注意しましょう。
■編集後記
今日はライオンズが久しぶりに勝ちました。
これで連敗が5で止まったようです。
明日は推し獅子の高橋投手が先発。
相手は宮城投手なので厳しい試合になりそうです。
でも最近はずっといいピッチングしていますからね。
また粘りの投球で勝ち投手になってほしいです。
■一日一新
グラン マスカット フラペチーノ