今回は、税理士はお客様の売上に貢献できるかについて、わたしの今のところの考えをまとめてみようと思います。
お客様の売上を〇倍にします!と言う税理士
たまに「お客様の売上を〇倍にします!」とアピールする税理士を見かけます。
そういえば、わたしが2番目に勤めた税理士事務所も同じようなことを売りにしていました。
いわゆるコンサル色の強い事務所だったんですよね。
実はわたしも大学生の頃から実際に税理士になる頃くらいまでは、「お客様の売上に貢献したい」となんとなく考えていた時期がありました。
※そのため、その2番目の事務所を選んだところはあります
やっぱり、その方がなんとなく魅力的に感じられましたし、自分もそういうことができる特別な存在になれるのでは、という気持ちもあったのだと思います。
ただ、今になって思うのは「そういう役割は必ずしも税理士が担う必要はない」ということです。
お客様の売上に貢献できない税理士
わたしは、正直に言えば「税理士はお客様の売上に直接貢献することはできない」と考えています。
少なくともわたしはそうです。
もちろん、経理や資金繰りといったお金周りの課題を解決することで、間接的に売上アップにつながることはあるでしょう。
それはそれで良いことだと思いますし、わたしもそうなってくれたらいいなと考えて普段から仕事をしています。
ただ、わたしが「売上を伸ばすために積極的に何かをする」ことは基本的にありません。
売上が思うように伸びないお客様には「これくらいの売上がないと黒字になりませんよ」といった損益分岐点の話をすることはありますが、それ以上に「どう売上を上げるか」という具体策まで踏み込むことは基本的にしません。
そこはやはり、お客様ご自身が考えるべき領域だと思っているからです。
もちろん、素人目線での意見を求められればお伝えします。
ただ、お客様はその道のプロですし、専門外のわたしが口を出しすぎるのは失礼でもあるし、そもそもそこまで期待されていないようにも感じています。
それを売り出していないので当たり前かもしれませんが。
一方で、経理の効率化や申告の正確さ、資金繰りの改善などは、わたしに期待されていることだと感じていますし、その期待には確実に応えたいと考えています。
まとめ
わたしは「お客様の売上に直接は貢献しない税理士」です。
もちろん、経理や資金繰りを整えることで間接的にプラスになることはあると思いますが、売上そのものをどう伸ばすかはお客様ご自身の専門領域。
そこはあえて踏み込まないようにしています。
実は父も同じように、まちの税理士として淡々と仕事をしていました。
そんな父と一緒に仕事をする中で、わたしも「それでいいんだ」と思えるようになったのかもしれません。
■編集後記
対岸の家事という小説ですが、面白いし共感するところが多いです。
わたしたち夫婦は共働きですが、2番目の兄夫婦は義姉さんが主婦の家庭です。
そんな兄夫婦のことも考えながら聴いていました。
でもやっぱり育児も家事も大変だよねとしみじみ聴いてて思いました。
まあ仕事とは別のベクトルなのかもしれないけれど、どれも大事で疎かにしちゃいけないし、かといって適度に手を抜く必要もあるなと。
■一日一新
対岸の家事 Audible