準確定申告とは被相続人に変わって被相続人の確定申告を相続人が共同で行うことを指します。準確定申告は相続があった年の被相続人の所得について行うのが基本ですが、相続の時期によっては相続のあった年の前年の被相続人の所得についても行うことがあります。
そして準確定申告の提出期限は相続後4ヶ月以内です。今回はこの期限を守らないと青色申告特別控除額にも影響があるぞという話を書いていきます。
青色申告特別控除とは
まず、本題に入る前に青色申告特別控除について確認します。
青色申告特別控除とは青色申告の特典の目玉の一つですね。帳簿の作成方法等に応じて控除額が変わりますが、そういった経理周りの整備をすれば確実に所得が減らせるわけなのでまずは優先して適用を検討したい節税策の一つです。
控除額は基本が10万円で、次の要件をクリアすれば55万円になります。
- 事業的規模の不動産所得があるか、事業所得があること
- 複式簿記で記帳を行い、貸借対照表を作成し提出すること
- 申告期限までに確定申告をすること
また、これに加え次のどちらかの要件を満たせば控除額が65万円になります。
- 一定の電子帳簿保存を行っていること
- 電子申告をしていること
そして、準確定申告で55万円以上の控除を受けたい場合は「申告期限までに確定申告をすること」に注意が必要ですので次にその点を確認していきましょう。
準確定申告の提出期限に間に合わないと10万円控除しか適用できないので注意
準確定申告の提出期限は冒頭でも書いたとおり、相続後4ヶ月以内(正確には相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内)です。これは相続があった年の所得の申告でも、その前年の所得の申告でも同様です。
そして、55万円以上の青色申告特別控除を受ける際の要件である「申告期限までに確定申告をすること」は準確定申告でも健在です。
準確定申告は様々な相続の手続きの中で埋もれがちですので、気付いたら申告期限である相続後4ヶ月を過ぎていたということもザラです。その場合は例え被相続人が生前の申告で55万円以上の青色申告特別控除を適用していたとしても準確定申告では10万円の控除しか適用できないので注意しましょう。
青色申告特別控除額は普段適用要件を逐一確認して控除額を決めるなんてことはせず、無条件に過去の申告に合わせてしまいがちです。うっかり提出期限以降の申告で55万円以上の控除を受けてしまうとあとから税務署から控除額を直してくださいと連絡がくることになります。
別に控除額を直した修正申告をすれば問題がありませんが、修正申告をしないに越したことはありませんし、できれば最大限の控除を受けたいところです。青色申告特別控除を受けていた被相続人の準確定申告をする際には提出期限を守ることを意識したいですね。
まとめ
今回は準確定申告で青色申告特別控除を受ける場合は提出期限に注意しようという内容を書いてみました。
65万円の控除を受ける場合には一定の電子帳簿保存をするか、電子申告をする必要があります。なんやかんや電子申告の要件をクリアする形が多いかなと思いますが、準確定申告の電子申告も鬼門です。
一応e-Taxソフトなら準確定申告の電子申告ができるそうですが、e-Taxソフトだと一般の方はしんどいかなと。わたしもやりたくないなと。
税理士としてもどれだけの税理士が準確定申告の電子申告をしているのでしょうか。相続人のe-Taxのアカウントを作成するとか、一部の帳票は別途添付するとかあるから、結局今までしてきた紙での提出で55万円控除を割り切って適用しているなんて方も多いと思いますね。
■編集後記
昨日は大宮に用事があったので大宮へ行ってきました。
用事を済ませたあとは東京ドーナツの直売所へ行ってきました。
ミスドのドーナツより一回り大きいような気がしますが、1個100円前後と安くてさすが直売所です。
また買いに行きたいと思います。
■一日一新
東京ドーナツ直売所