相続対策は元気なうちに取り組んだ方がいいです。
認知症が発症するリスクもありますし、贈与で節税をするなら相続直前だと相続税が課税され意図した節税にならないからです。
認知症になる可能性があるから
人生100年時代と言われるようになりましたが、長生きする以上、認知症のリスクは誰にでもあります。
厚労省の資料によると、2022年時点で65歳以上の認知機能に何らかの障害がある方は全体の27%に上るそうです。
そして政府も、「認知症は誰もがなり得るもの」と明言しています。
参考|知っておきたい認知症の基本
また、最近は相続のことを考える上でも、いつか自分(親)が認知症になるかもというリスクは常に頭に入れておいた方がいいなと、思うこともしばしばあります。
認知症になると介護の負担が出てくるのはもちろんですが、あらゆる法律行為ができなくなるからですね。
つまり、預金は凍結され、施設に入る際の一時金に充てるために自宅を売るといったことも難しくなります。
また、相続対策として遺言を書いたり、贈与をすることもできなくなってしまいます。
まして、その方が会社を経営していたら。。。
これは、わたしはまだ経験がありませんが、やっかいなことになるのは想像に難くないです。
それに、いざ相続が発生したときに、その方の財産がどれくらいあるのかを一から把握するのはやっぱり大変です。
元気なうちにご本人が相続人へ説明しておけば、スムーズに手続きできたはずなのに…というケースも少なくありません。
したがって、誰にでも認知症になる可能性がある以上、認知症になる前、つまり今元気なうちから相続対策をすることが肝要です。
7年前の贈与は相続税の課税対象になるから
もう一つ、早めに動いた方がいい理由は「贈与のタイミング」です。
2024年の税制改正で、相続が起きてから7年以内(以前は3年以内)の贈与は、相続税が課税されることになりました。
逆に言えば、贈与から7年以上たって相続を迎えれば、その贈与は相続税から切り離すことができるということです。
2023年までは3年ルールだったので、比較的短期間で相続財産から切り離せました。
しかし、今後はその期間が倍以上に延びたため、贈与による相続対策を実施するなら、より早くからスタートすることが大事になります。
もちろん、必ず贈与をして節税をしなくてはいけないということではありません。
自分のお金が減れば何かと不安でしょうから。
しかし、たとえば毎年、基礎控除の範囲内や最低税率の範囲内で贈与をして相続財産を減らしていきたいといった考えがあるなら、早めに行動に移すことが大事になりますので注意しましょう。
まとめ
相続対策はどうしても後回しになりがちですが、なるべく早く始めることが大切です。
認知症になってしまうと、預金の引き出しや自宅の売却、贈与、遺言の作成といった手続きができなくなります。
また、贈与についても7年ルールに改正されたことで、「やるなら早めに」という重要性がさらに増しています。
「まだ早いかな」と思っている今が、じつは一番ちょうどいいタイミングかもしれません。
まずは自分の財産をざっくり整理するなど、できることから少しずつ動き出してみましょう。
■編集後記
りんごやなしは、食べたことがない品種を見かけたら、なるべく買ってみるようにしています。
今日の紅いわても、よく行く農協のお店で売っていました。
皮の色が濃いのが印象的でしたが、食べてみるとかためでかなり好みの味でした。
食べたあとはネットで検索して紹介文を読むのも楽しいです。
■一日一新
紅いわて りんご