固定資産税は賦課課税方式のため、基本的には毎年5月頃に納税通知書が届いてそこに記載されている金額を納めることになります。では納税通知書の内容に不満がある場合でもそのまま納めなくてはいけないのでしょうか。
この場合、必ずしも税額が下がるとは限りませんが不服の申出の手続きをとることができます。
今回は、固定資産税の税額に不満がある場合の手続きについてまとめてみようと思います。
課税内容の確認
まず、不服の申出の手続きについて確認する前に、そもそも固定資産税の金額が間違っていることについて確認する方法を見ていきましょう。
単純に「税額が高いよ。こんなの払いたくないよ」といった理由では申出等をしたところで棄却されて終わりですので、まずは本当に不当な評価をされているかといったことを吟味する必要があります。
では課税内容の確認方法ですが、基本的には毎年5月頃に届く納税通知書がスタートになります。こちらには固定資産税の計算の基礎になる、評価額や課税標準額はもとより、地積や地目(建物なら床面積や種類、構造)が記載されていますので、まずは納税通知書を見て違和感があるかどうかを確認します。
また、評価替えのタイミングで急に評価額が跳ね上がった場合等には、過去の納税通知書と見比べることも必要ですね。こうして納税通知書の内容に不満があるようなら、次のような方法で評価内容に間違いがないか検討を進めます。
- 縦覧制度の活用
- 路線価や標準宅地の確認
- 課税標準の基礎資料の確認
縦覧制度の活用というのは、4月1日~その年の最初の固定資産税の納期限までの期間に利用できる制度で、その市町村内の全ての土地と建物の評価額を確認できます。そのため近隣の土地や建物との比較に有効です。
路線価や標準宅地の確認はこの手の検討をしようと考えれば真っ先に思いつくことかなと思います。路線価は一般的に固定資産税評価額よりも少し高くなるはずなので、もし路線価より固定資産税評価額が高ければそれは申出の根拠にも成り得るかもしれませんね。また、路線価と固定資産税評価額について近隣との比較や過去との比較をすることで申出の根拠を導きだせる可能性もあるかなと思います。
ちなみに路線価は毎年7月1日に公表されます。標準宅地の確認というのは、固定資産税路線価の確認や公示価格の確認が主になります。全国地価マップというサイトで確認でき固定資産税路線価の新年度の数字は毎年7月下旬ごろに公表され、公示価格の新年の数字は毎年6月中旬ごろに公表されます。
固定資産税路線価は路線価よりも細かく道路に付与されていますので、検討したい土地に隣接している道路に路線価が付されていなくても、固定資産税路線価は付されているといったことがあります。路線価がない場合でも諦めずに固定資産税路線価を確認してみるといいです。
最後に課税標準の基礎資料の確認というのは、当然市町村は固定資産税を計算するにあたって、その計算の根拠資料を作成し保存していますので、そちらを確認することを指します。
この手続きは一般的には市町村が積極的に紹介していないので、各市町村に個別に確認なり相談をすることになります。土地の場合は採用路線価や図面、補正率など、家屋の場合は図面の他に建築資材や附帯設備などの評点数表と補正率などが記載されていることが多いです。
資料の取得方法も料金形態も市町村によりさまざまですが、課税標準に関わる不服を申し立てる際には必須の確認資料といえます。
こういった流れで課税内容を吟味した結果、お手元にある納税通知書の内容がやっぱりおかしいとなれば次に紹介する手続きを取ることになります。
固定資産税の税額に不満がある場合にとれる手続き
固定資産税の税額に不満がある場合にとれる手続きには、不服の内容により大きく2パターンに分かれます。審査の申出と審査請求という手続きです。
審査の申出というのは土地や建物の「評価額」について不服がある場合に市町村の固定資産評価審査委員会に行う手続きのことです。
申出には制限があって、固定資産税は3年に一度改定がされますが、その改定のあった年を基準年度といい、基準年度には全ての土地と建物について審査の申出が可能です。一方で2年目と3年目については、新築等があって評価替え等があった場合(要は評価額等に異動があった場合)のみ申出が可能です。
そして審査請求という手続きは、「評価額」以外の項目に不服がある場合の手続きです。代表例だと住宅用地の認定などがありますが、市町村長に対して審査請求を行います。
このように、固定資産税の税額に不満があるといっても、具体的にどの計算過程で間違いがあると指摘するかでとるべき手続きが異なる点は注意しましょう。
まとめ
今回は固定資産税の税額に不満がある場合の手続きについてまとめました。闇雲に手続きをしたところで税額が下がるわけではありませんので、まずはしっかりと不当な計算をされているかどうかの根拠を集めることが重要です。その点も注意しましょう。
実はわたしの父も以前に富士見市の固定資産評価の審査委員を担当していました。富士見市は基本的に市内の税理士が持ち回りで担当しているみたいです。そしてその後はだいたい市の監査委員を担当することになるとか。
そこで父も固定資産評価の審査委員だったときに審査の申出があって、何度か委員会で会議をすることになったと言っていましたね。父曰く、市町村もちゃんとした基準で計算しているので、申出が受理されて減額まで行くことは滅多にないとのことでした。
それでも固定資産税の通知額に納得ができないようなら、不服の申出にチャレンジしてみるのも一案かもしれないですね。
※今回の記事ではあえて随所に市町村という言葉を使っています。区も基本的に同様の考え方ですが主体が東京都になって表現が分かりづらくなるので市町村で通しています
■編集後記
昨日はブックオフで息子用の絵本を買いに行ってきました。
有名どころの絵本も数冊かあったので3冊購入しました。
今のところ読み聞かせは妻任せです。
また、ブックオフのお店の一角にカードゲームのプレイゾーンがあって近所の小学生と思しき少年がワイワイとカードゲームに興じていました。わたしが小学生の頃は近所の公園でよく遊戯王をしていましたが、今は空調の効いた場所でないとなかなか難しいですよね。
■一日一新
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