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110万以下の相続時精算課税の贈与を受けたときの注意点

相続

2024年から相続時精算課税の贈与でも基礎控除が引けるようになりました。


基礎控除の金額は110万で、110万以下の贈与なら相続時精算課税の贈与でも贈与税の申告はしなくていいとよく説明されます。


ただ、念のため申告しておくのも検討してみましょう。

110万以下の贈与なら申告しなくても大丈夫?

冒頭で書いたように、2024年から相続時精算課税の贈与でも110万の基礎控除が引けるようになりました。


その結果、相続時精算課税を選択して110万以下の贈与を受ける分には贈与税の申告をしなくてもよくなりました。


ただ、ここで注意点があります。


それは、相続時精算課税の制度で設けられているもう一つの引けるもの、つまり2,500万円の特別控除の話です。


2,500万円の特別控除を贈与税の計算で引くためには、贈与税の申告期限(贈与年の翌年3月15日)までに申告をしないといけません。


そうすると、基礎控除額の範囲内の贈与だからといって申告をしないでいるとこの控除が引けないわけです。


いやいや、基礎控除額の範囲の贈与なら特別控除を引く必要なんかないんだから関係ないでしょう。


そう考える方も多いと思います。


たしかに、現金を贈与したとしたらまず評価額は間違いようがありません。


ただ、現金以外の財産だとどうしたって評価額の計算を間違えるリスクはあります。


もし、110万以下の贈与だと思って贈与税の申告はしないでいて、申告期限の後に贈与財産の評価額が110万超だと気付いたとしてもそれでは遅いのです。


仮に、当初から贈与税の申告をしていれば、そのあと評価額の間違いに気付いて修正申告をしたときに、110万を超える部分について特別控除を引くことができます。


これが当初から申告をしていなければ、修正申告をする際に110万を超える部分について贈与税がかかってきます。


そのため、基礎控除額以下の贈与でも、贈与財産によっては念のため申告をしておくことを検討してみましょう。

とはいっても将来的には精算される

これまで、基礎控除額以下の相続時精算課税の贈与を受けたとしても、特別控除を引く余地を残すために念のため贈与税の申告をしておくことを確認しました。


とはいっても、この特別控除額が引けなくて修正申告で贈与税がかかってしまったとしても、将来的には相続税の計算の際にその時納めた贈与税は精算されることになります。


つまり、長い目で見れば税負担は変わりません。


贈与を受けたタイミングで税金を納めるか、相続のときに税金を納めるかの違いが生じてくるだけです。


もともと、基礎控除額以下の評価額だと思っていたなら、そこまで評価額も高くならないでしょうし。


そう考えていくと、この論点は見過ごしていてもしょうがないで済むかもしれません。


ただ、わたしのような税理士は、軽い気持ちで申告しなくていいですよと伝えて、あとから評価額の計算間違いに気付いたとすると、お客様に不要な納税をしてもらうことになるのでバツが相当悪そうです。


なので、この論点は十分に気を付けたいなと思います。

まとめ

2024年から相続時精算課税の贈与でも基礎控除が引けるようになりました。


基礎控除の範囲内の贈与なら贈与税の申告はしなくてもいいですが、贈与財産によっては評価間違いのリスクに備えて念のため期限内申告をすることを検討してみましょう。


■編集後記
最近暑くなってきました。
愛犬の散歩時間を本格的に見直ししていかないといけないと感じています。
とりあえず今日は夕食後の19時頃から散歩をしました。
この時間だとラジオでライオンズの試合を聴けたりするので割と楽しかったりします。

■一日一新
はちみつクッキーとバター風味のチョコレートのラングドシャ