相続税の計算で土地を評価する場合、その土地の「実際の面積」をもとに計算をするのが基本です。
この「実際の面積」ですが、必ずしも測量による実測を要求されるものではなく、実務上は登記上の地積をもとに計算することも少なくありません。
実際のところ過去に測量が(適切に)行われていない土地も多いわけで、そういったすべての土地に測量をすることを求めることは現実的ではありませんので。
そこで、仮に当初の相続税の申告のときは登記上の地積をもとに評価をしたとして、その後に相続人が相続する土地を売却等するために測量をした結果、登記上の地積が間違っていたことに気付くこともあり得ます。
今回はそんな場合の対応について簡単にまとめてみようと思います。
土地の面積が違えば相続税が変わってくる
相続税の計算で土地の評価をする場合、土地の面積はダイレクトにその土地の評価額に影響を与えます。
路線価評価の土地は言わずもがなですが、倍率評価の土地でも、その評価のもとになる固定資産税評価額という価額が土地台帳の面積をベースに決定されていますので、実際の土地の面積をベースにした価額に修正するようなことが必要になります。
したがって、なんにせよその土地の評価額は増減することになります。
そして、土地の評価額が増減するということは必然的に相続税も増減することに繋がります。
結果的に、相続税の申告後に測量をしたことで土地の面積が増加すれば相続税の修正申告、逆に減少すれば更正の請求という手続きを検討することになります。
取得費加算の計算にも注意しよう
相続した土地を相続開始後3年10ヶ月以内に売却すると、譲渡所得の計算で相続税の取得費加算という特例が適用できます。
相続後の相続財産の売却は相続税の納税資金を確保するといった面もありますし、相続税に続いて所得税の負担が連続して発生するのはやはり負担感が大きいものなので、そういった点を考慮して用意されている制度です。
そして、この特例計算ですがその名の通り、その人が負担した相続税のうち売却した土地の評価額に対応する金額をその土地の譲渡所得の計算上、取得費に追加しますよという制度です。
したがって、その計算のスタートは相続税額となりますので、修正申告なり更正の請求をして相続税額等が変動するようだと、その変動を加味した相続税額等をベースに計算する必要が出てきます。
この点も注意が必要でしょう。
まとめ
今回は相続税の申告後に測量をして土地の面積の間違いに気付いたときの対応についてまとめてみました。
土地の面積は土地の評価額に直結しますので、面積が増減すれば必然的に土地の評価額が変わり、その結果相続税額も変わってきます。
それに応じて相続税の修正申告や更正の請求といった手続きを検討することになります。
また、相続税額が変動すれば、所得税の申告でも取得費加算の計算に影響が出てきます。
芋づる式でいろいろと対応することがでてくるわけですね。
でも、実際のところ登記上の地積と測量による面積の差が僅少だったらスルーするのかも知れませんが。
この点は、測量をした時期や相続人の方の考え方しだいなとこもあるのかもわかりませんね。
■編集後記
ここ最近、息子が本格的に歩こうと頑張っています。
まだ1mくらいしか歩けず、すぐにこけたりその場でしゃがんでしまいますが。
こういうときヘッドギアがとても役に立ちます。
もし、ヘッドギアがなければいろいろなところに頭をぶつけて見ていられなかったと思います。
もしかしたら今月中にはある程度歩けるようになりそうで楽しみです。
■一日一新
コーヒーチョコレート ロイズ