相続税の節税を考えたとき贈与を利用した節税はやっぱり王道です。
一方で、いざ贈与をしようと考えて、その前にその贈与に対する贈与税を調べてみると意外と高くてびっくりなんてことも。
そして、こんなに贈与税が高いなら、今贈与するのはやめておこうとか、110万以下の贈与に抑えて贈与税がかからないようにしようとなることも。
でも、本当にそうでしょうか。
実は、贈与税をあえて払った方が、将来的に節税になることもあるのです。
目の前の贈与税が高いな感じる
たとえば、子供に500万を贈与するとします。
そうすると、贈与税額は約48万となります。
この金額を見て、こんなにかかるのかと感じて、贈与をためらってしまうのは自然なことです。
ただ、税額が贈与した金額に占める割合で言えば約10%になる計算です。
また、贈与しようとした趣旨が相続税の節税なら、相続税との比較もしてみましょう。
贈与税と相続税の比較をしてみると、この48万という数字も違って見えてきます。
贈与税と相続税の差を意識しよう
先述した例だと、子供に対して500万の贈与をした場合、贈与税額は約48万で実質的な税率は約10%でした。
一方で、贈与をする人の財産が仮に1億あったとすれば、相続税率は30%になります。
※相続人が1人だった場合
贈与をしないで相続財産として残ってしまえば、それを子供が相続するときに相続税が150万かかる計算です。
ちなみに、贈与税にしても相続税にしても、所得税と同じ超過累進税率が採用されています。
したがって、500万の贈与をした場合は表面的な税率は15%(課税価格390万)ですが、実質的な税率は10%となりました(200万部分に対しては10%の税率+110万の基礎控除)。
一方で相続税の計算では相続財産(課税価格)が5,000万から1億のラインなら税率は30%になりますので、その範囲内に贈与する財産の金額が収まるならどのみち30%の税率がかかる計算になります。
この超過累進税率の仕組みを理解するのもポイントです。
そして、今贈与をして48万の贈与税の負担をするのか、将来相続のときに150万の負担をするのかを考えてみましょう。
もちろん、必ずしも贈与をして節税をするのが正解とは限りませんが。
目の前の贈与税だけを見るのではなく、その贈与税と仮にその贈与するお金が相続財産として残ったときにかかる相続税とを比べてみる視点は大事です。
まとめ
贈与税の負担は重いです。
でも、ある程度財産がある方であれば、相続税の負担の方が重いこともあります。
贈与税を納めてでも贈与をして相続財産を減らすことが、トータルでの節税に繋がることもあります。
もちろん相続税の計算は小規模宅地等の特例や生命保険金の非課税などの特例がありますので、それらを上手く活用することで相続財産が圧縮されて相続税率が下がることもあります。
また、相続人が多ければ税率が下がる傾向にあるので、そういった相続税の特殊な計算方法にも注意が必要です。
結果的に思いのほか贈与をしなくてもよかったなんてこともあるかなと思います。
この点は、しっかり相続税の試算をしてみないとなんとも言えないですね。
■編集後記
今日は息子が朝から熱を出してしまったので、一日看病をしました。
息子は病院でも大人しく、家に帰ってからも食事や水分補給、おやつを合間に挟みつつずっと寝てくれました。
たまにテンションが上がって、寝てくれないこともあるので今日はラッキーでした。
早く良くなって欲しいです。
■一日一新
息子の病院付き添い