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ミニマムタックスの改正について思うこと

税金

先日、SNSでミニマムタックスが話題になっていました。
「3.3億円が1.65億円に引き下げられる!」
「リスクをとって頑張った人に課税するなんて!」

そんな投稿が流れていて、なんともモヤっとした気持ちになりました。
今日はその話をつらつらと書いてみます。

ミニマムタックスはどんな制度か

ミニマムタックスは、いわゆる「1億円の壁」を是正するために設けられた制度です。
金融所得が多い高所得者の税負担が相対的に低くなる問題に対応するため、
一定以上の所得がある場合に、追加的な税負担を求める、そんな仕組みです。

2025年分の申告から運用がスタートしています。

制度の字面だけを見ると、
「所得が3.3億円を超えると追加で税金が発生する」と受け取りがちです。
※実際わたしもそう考えていました

しかし実際は計算の仕組み上、基本的に10億円近い所得がないと
追加の納税が発生しないことになっています。

今回の改正では、その「3.3億円」という基準が「1.65億円」へ引き下げられることになりました。
また計算に用いる税率も「22.5%」から「30%」に上がる予定です。

とはいえ、改正後であっても、実際に追加の納税が発生するのは、
基本的に所得が3億円以上あるようなケースです。

これが、先日SNSで話題になっていました。

個人的には、ほとんどの人には関係のない制度だと思うのですが。。

ちなみに、わたしは、この制度が初めて発表されたときは、
「3.3億円か、自分には関係ないな」と高をくくっていました。

ところが、たまたま数億円規模の所得がある方の申告書をつくる機会があり、
「そういえば」と思って実際に明細書を作ってみたのです。

その結果、単純に3.3億円以上の所得があれば追加の納税が発生するわけではなく、
計算の仕組み上、実際にはもっと高い所得がないと追加の納税は発生しない
ということに気付いたしだいです。

そもそもだけど、「収入」と「所得」を混同していないか

そもそもですが、SNSを見ていて気になるのが、「収入」と「所得」の混同です。

  • 収入が3億円
  • 所得が3億円

この2つは、まったく意味が違います。

「収入」は入ってきた金額のことで、いわば売上です。
一方で「所得」は収入から経費を差し引いた金額のことで、儲けです。
特に事業をされている方なら、この違いは身に染みているはずです。

まあ、この制度の適用を検討される方の場合、収入≒所得の傾向はあると思いますが。。

いずれにせよ、「収入」が3.3億円ないし、1.65億円超えると増税!なんていう発言は、
どうしても、モヤっとしてしまいます。

増税=悪、なのか?

SNSでは基本的に、今回の改正がとんでもないことのように語られていました。

しかし、ミニマムタックスには明確な大義があります。
金融所得が数億円単位であっても税率20%程度で完結する世界がある一方で、
給与所得者や個人事業主には超過累進税率が適用される。
これはやっぱりおかしいはずです。

今回たまたま、実際に計算に触れてみて、
そのことを改めて実感もしたところです。

税の世界には「応能負担」や「所得再分配」という考え方があります。
負担能力に応じて税を負担する。
格差が広がりすぎないようバランスを取る。

ミニマムタックスの改正は、その方向性に沿ったものであり、
大いに結構ではないでしょうか。

もちろん、SNSの投稿にあるように、リスクをとり努力をした結果、
それだけの対価を得ているという側面もあるのでしょうが。

それでも、今回予定されている改正を踏まえても所得が3億を超えて初めて適用があり、
税率は30%、それも1.65億円を超える部分が対象となります。

所得税の超過累進税率が4,000万円を超えると45%になってしまうのに比べれば、
これでもよっぽど優遇されているように思いますが。。

また、この改正を問題視する理由として、
さらにこの特例の所得の水準を引き下げるといったことが懸念されているようです。

要は「超富裕層ではなく中間層のオレ達にも増税するんじゃ」みたいな話のようです。

これも、個人的にはそんな心配しなくていいように思いますが。。

多くの場合はiDeCoやNISAの枠は使いきれないように思います。

仮にその枠を使い切って、さらに投資で儲けたとして、
ある一定のラインを超えたら課税を(いくらか)強化する。
それはやっぱり大義があるように思いますが。。

税制なので、どうしてもある一定のラインで線引きが必要ですが、
仮に懸念されるような改正があったとしても、そのラインを超える人がどれだけいるのか。

また、そこに負担を求めることには、大義があるように思うのですが。。

それとも、よっぽど儲けている人がいらっしゃるということなのでしょうか。


■編集後記
最近、家でクリスタルキングの「愛をとりもどせ!!」を流していると、
息子が一緒に「YouはShock」と言ってくれるようになりました。
(もうすぐ)2歳児にも、やっぱり通じるものがあるのでしょうか。
わたしも世代ではありませんが、大好きな曲です。
世代を超えて刺さるあのインパクト。
名曲の力はすごいものですね。

■一日一新
文明堂朝霞直売店で3時のおやつあんぱん購入