相続税の税務調査で名義預金の指摘は頻出です。
今回は、被相続人の配偶者(今回は妻とします)の口座にあるお金が名義預金だと指摘された場合に時効で反論できるかまとめてみようと思います。
夫婦のお金で時効取得を主張することは難しい
民法には時効取得という考え方があります。
20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する 民法第162条第1項より
この時効取得という考え方を持ち出して、「何十年も前から自分名義の預金なのだから既に時効だ」と主張できるかというと、それは難しいです。
なぜかというと、夫婦の財産はあくまで夫婦の財産という考え方があるためです。
民法の言葉を使うなら、夫婦関係では夫の占有を排除した妻の独占的な占有は認められないと考えるわけです。
そのため、相続税の税務調査の場で、妻名義の預金が被相続人である夫の財産だよねと指摘された場合、仮に通帳や印鑑の管理を行っていたとしても、あくまでその預金の出どころを証明しないと、自分の財産だ(=夫の財産ではない)と認めてもらえません。
お金の出どころは何か
税務署の調査官の名義預金の指摘を覆したい場合、その預金の出どころは何かを相続人が証明することはとても重要なポイントです。
つまり、その資金が、誰が、どのように、取得されたかを証明しないといけません。
妻が働いて稼いだお金なのか、親から相続したお金なのか、夫から贈与を受けたお金なのか、そして贈与なら贈与契約が成立していることを証明する必要があります。
こういった証明ができなければ、調査での名義預金の指摘を覆すことは難しいです。
実際のところ、調査官は名義預金だと疑われる口座があると徹底的に調べ上げた上で指摘をしてきます。
そのため、指摘をされた以上、それを覆すのは難しいことがほとんどかなと思います。
まとめ
今回は名義預金の指摘に対して時効で反論できるかについてまとめてみました。
夫婦間で名義預金を指摘された場合、時効取得の考え方での反論は難しいです。
結局のところお金の出どころが説明できない多額の預金に関しては、当初の申告から計上しておくのが無難な対応かなと思います。
■編集後記
昨日はアクマゲームの映画を見てきました。
映画もドラマと同様、いろいろ惜しい感じでしたね。
俳優はみんな好きなんですけどね。
特に主演の間宮祥太朗さんが好きなので、映画もカッコいいな~と思って観ていました。
それに崩心も相変わらずのキャラで安心して見ていられました。
ドラマの時は原作者の方がいろいろツッコミを入れていたと思いますが、映画は原作者からしたらどうなんでしょうね。
■一日一新
劇場版ACMA:GAME 最後の鍵