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精算課税を適用する前の贈与は、生前贈与加算の適用があるので注意しよう

相続

昨年から相続時精算課税が使いやすくなり、利用を検討されている方も多いと思います。


精算課税の贈与はメリットも多い一方で注意しないといけない点も多いです。


そこで今回は精算課税を適用する前の贈与が生前贈与加算の対象になる話を取り上げてみようと思います。

精算課税を適用する前の贈与は通常の贈与

相続時精算課税制度は、その適用を始めたい年の翌年2月1日から3月15日までの間に選択届出書を提出することで利用できます。


たとえば、2025年の贈与から精算課税を使いたい場合には、2026年2月1日~3月15日の間に届出をする必要があります。


そして、この届出をして初めて2025年の贈与から精算課税が適用されます。


したがって、2024年以前の贈与は通常の暦年課税の贈与として扱われます。


その結果、2024年の贈与については生前贈与加算の対象になるかどうかを検討しなければなりません。


具体例を挙げると、

  • 2024年 暦年課税の贈与
  • 2025年 精算課税の贈与開始
  • 2028年 相続発生

この場合、2025年の贈与は精算課税によって相続財産に組み込まれるのは当然ですが、実は2024年の贈与も「相続開始前7年以内の贈与」として生前贈与加算の対象となり、相続税の課税対象に含まれるのです。

相続しなくても生前贈与加算の適用がある

生前贈与加算は基本的に相続で財産を取得した人が対象になる制度です。


たとえば、相続人でない孫に生前贈与をしていた場合、その孫が相続で財産を取得していなければ、たとえ相続前7年前の贈与でも生前贈与加算の対象にはなりません。


このため、精算課税を適用した人が相続で財産を取得しなかった場合、生前贈与加算は適用がないはずと捉えがちです。


しかし、精算課税の贈与を受けた人については、相続で財産を取得していなかったとしても、生前贈与加算が適用されることになっています。


したがって、孫など本来は相続人でない人や、将来的に相続財産を取得しない見込みの相続人に精算課税を適用すると、その前に行った暦年課税の贈与についても生前贈与加算を検討する必要がありますので注意が必要です。

まとめ

精算課税を適用しても、その適用前の贈与は通常の贈与として扱われます。


したがって、精算課税を適用してから数年後に相続があると、精算課税を適用する前の贈与について生前贈与加算の検討が必要になってきます。


また、精算課税を適用すると相続で財産を取得した人と同様に扱います。


相続で財産を取得しない人でも精算課税を適用したために、生前贈与加算の適用があるなんてこともありますので注意が必要です。


■編集後記
今日は台風でした。
昼間はすごい雨でしたが、朝と夜の散歩は上手く雨が降っていないタイミングに行けたので良かったです。
この雨で少しは涼しくなればいいですが、予報を見る限り雨が降らない日はまだまだ暑そうですね。
早く昼間でも散歩ができるようになるといいですね。

■一日一新
ソフトカツゲン