利益を出すために、減価償却費を計上しないという選択があります。
わたしは、この選択はオススメしません。
会社は減価償却費の計上が任意だけど
会社は減価償却費の計上が任意です。
法人税法上、決算書で計上した減価償却費のうち、法人税法で決められている計算方法で計算した金額までを経費に計上できる、そんなルールになっているためです。
なので、その計算結果を上限に、まったく減価償却費を計上しなくてもいいし、半分だけ計上するなんてこともできることになっています。
そこで、たまに会社が赤字のときに減価償却費を計上しないで黒字にしようとか、赤字を少なくしようと考えることがあります。
わたしは、この手の処理は久しくやっていません。
たしか、最初に勤めた税理士法人で不動産管理会社の申告のときに、何度か減価償却費を計上しなかったことがあったと思いますが。
まあ、今は減価償却費を計上しないのはなしかなと考えています。
減価償却費を計上しないのはやめておこう
利益を出すために減価償却費の計上をしないことは、たとえ法人税法で認められているといえどオススメできません。
理由としては、単純に心証が悪いからです。
この手の処理を検討する理由は、銀行に提出する決算書の見栄えを良くしたいということがほとんどだと思います。
ただ、この処理は、銀行には通用しないと心得ましょう。
銀行は決算書を読み解くプロですから、その手の小手先のテクニックは簡単に見破られてしまいます。
直接社長に対して減価償却費の計上をしていないですねとか言わないまでも、裏では減価償却費の計上をした決算書に修正をしたうえで融資の判断をしているものです。
そして、その結果、銀行からは、せこい真似をする会社(社長)だと悪印象を持たれるだけとなってしまいます。
また、個人的には単純に減価償却費の計上をしないのは美しくないかなと考えています。
法人税法上の上限額の減価償却費の計上をして、過不足なしにするのが一番かなと考えています。
たまに、自社の環境に応じて、会計上はオリジナルの計算方法で計算した減価償却費を計上して適切な利益計算をしよう(申告書上の調整はやむなし)という考え方も見聞きしますが。
わたしは、そういうの含めて変に減価償却費の金額をいじるのはしなくていいかなと考えています。
そこはたんたんと、過不足なしの金額を計上していけばいいのかなと。
まあ、余程減価償却資産が多くてとかなら別なのかも知れませんが。
まとめ
減価償却費の計上をしないのはやめておきましょう。
小手先のテクニックで決算書の数字を繕っても、見る人が見れば見抜かれてしまいます。
そして、そのような姿勢に対して悪い心証を持たれるだけになるかなと思います。
■編集後記
毎回ミルで豆を挽くのが億劫になってきたので、コーヒーメーカーを買ってみました。
豆を挽く音が意外と大きくて、愛犬が反応してしまうのが良くないですが、やっぱり楽でいいですね。
■一日一新
パナソニック コーヒーメーカー NC-A58-K