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精算課税の選択と他の特例への影響

相続

2024年の税制改正で大いに利用しやすくなった相続時精算課税制度ですが、この制度を利用して贈与をすると、思わぬ形で他の特例へ影響を及ぼすことがあります。

今回は精算課税の贈与が他の特例にどのように関係してくるのかについて、ザックリまとめてみようと思います。

特に小規模宅地等の特例は注意

精算課税を選択することで適用ができなくなる特例として、代表的なのが「小規模宅地等の特例」です。
小規模宅地等の特例は、そもそも相続を前提にした特例であり、贈与でもらった財産については適用がありません。
※死因贈与は遺贈と同等に扱うため適用があります

そのため、精算課税の特別控除(2,500万円)や固定税率(20%)を利用すれば節税になると考えて、評価額の高い土地を贈与で移転しようとするケースがありますが、将来その土地で小規模宅地等の特例が適用できる見込みがある場合は注意したいところです。

精算課税で土地を贈与するときには、将来その土地が小規模宅地等の特例の対象になりそうかどうか、必ず事前に確認しておきましょう。

他の特例への影響

小規模宅地等の特例のほかにも、精算課税を選択することで適用できなくなる特例があります。

  • 物納
    精算課税で贈与された財産は相続財産ではないため、相続税の物納に充てるできません
  • 延納における不動産等の価額への不算入
    相続税の延納をする場合には、不動産等の価額が延納の期間等に影響を及ぼしますが、このとき精算課税で贈与した土地はその不動産等の価額にカウントしません
  • 登録免許税の軽減税率
    相続による移転では登録免許税が軽減されますが、贈与で移転した場合は対象外です
  • 不動産取得税の課税
    相続による移転では不動産取得税は非課税ですが、贈与で移転した場合は課税があります

一方で、精算課税を選択しても影響を受けない特例もあります。
それは 「取得費加算の特例」 です。

取得費加算の特例は「相続後3年10ヵ月後以内に土地(相続財産)を売った場合」に、譲渡所得の計算で取得費にその土地に対応する相続税を加算する制度です。

精算課税の贈与で取得した土地についても、相続税の負担が生じているなど、他の要件を満たす限り、この特例が制限を受けることはありません。

まとめ

精算課税の制度は、一部の相続絡みの特例が利用できなくなるというデメリットがあります。

特に小規模宅地等の特例は影響が大きく、安易に土地を贈与してしまうと後々大きな損失につながることもあります。

一方で、取得費加算の特例のように、精算課税を選択しても特に影響を受けない制度もあります。

精算課税を選択する際は、贈与時点だけでなく将来の相続を見据えて慎重に判断をするようにしましょう。


■編集後記
今日はリンガーハットの福袋の発売日だったので、ランチのついでに買ってきました。
3,500円で3,000円分のお食事券に加えて、お菓子なども付いてくるという内容だったので「けっこういいじゃん」と思って購入したのですが、いい意味で期待を上回りました。

特にトートバッグが意外としっかりしていて、ロゴも控えめで使いやすそうです。
とはいえ、実際に使う機会はあまりなさそうですが(カバンには困っていないので)。

それでも、なんだかとても得した気分になれました。

■一日一新
リンガーハットの福袋