家賃を年払いするケースなど、その払いが短期前払費用に該当すると、払ったタイミングで家賃の全額を経費にできます。
では、インボイスの登録をしていない相手に短期前払費用を払った場合、10月以降の分についてはどうなるのでしょうか。
短期前払費用とは
通常、経費にできるのは、その年(期)に実際にサービスの提供を受けた分です。
たとえば、12月決算の会社が、4月に翌年3月までの駐車場代を1年分まとめて払った場合、経費にできるのは4月~12月の駐車場代で、1月~3月の駐車場代は経費にすることができません。
ただし、
・その払った日から1年以内にサービスを受けること
・毎年継続して同じように払い、その全額を経費にすること
といった要件を満たす「短期前払費用」であれば、その払った年に、その全額を経費にできます。
そして、消費税の計算でも、この短期前払費用の取り扱いを適用している場合には、払ったタイミングの経費(課税仕入)として、その金額を処理することができます。
10月からインボイス未登録者への払いは7割控除に
消費税の計算では、インボイスの登録をしていない相手に仕入や経費の払いをした場合、一定の要件を満たせば、一定割合を課税仕入にできる経過措置があります。
いわゆる、8割控除と呼ばれているものですね。
そして、この割合は2026年10月から、これまでの8割控除から7割控除へ引き下げられています。
そこで気になるのが、短期前払費用です。
たとえば、9月決算の会社が4月に、インボイスの登録をしていない相手へ駐車場代を向こう1年分、つまり4月分~翌年3月分まで払ったとします。
そして、短期前払費用として、駐車場代の全額を経費にしたとします。
この場合、10月分~翌年3月分の駐車場代は、7割控除へ引き下げられた後にサービスを受ける分ということになります。
そうなると、「10月以降の分については7割控除になるのでは?」と考えてしまいがちです。
短期前払費用なら8割控除でOK
結論として、このケースでは10月分から3月分についても8割控除で問題ありません。
つまり、今回の例であれば、10月以降にサービスを受ける分を取り出して7割控除にする必要はありません。
イメージとしては、その短期前払費用を払ったタイミングですべてのサービスを受けたものとして、消費税についても処理するという感じでしょうか。
短期前払費用は、そもそも経理処理の簡便性などを考慮して認められている取り扱いです。
細けえことはいいんだよ、という感じですね。
■編集後記
お客様に9月決算の会社があります。
ちょうど、毎年9月に短期前払費用の払いがあります(相手はインボイス未登録)。
よくよく考えると、これが10月に払う周期だったら、全額7割控除になっていたんですね。
それなりに金額が大きいので、今回はよかったなと思いました。
■一日一新
STEAK MAN 新座店

