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税理士の研修受講義務について思うこと

考えたこと

先日、税理士会のサイトの「税理士情報検索サイト」がリニューアルされ、そちらに公表されている内容を適宜変更できるということで、試しに自分の公表内容を編集してみました。


そしてその手続きの最中にそのサイトを眺めていたら、税理士の検索要件の中に「研修受講義務達成率100%以上の税理士に限る」というチェックボックスがありました。


税理士を探している方がどれだけこの項目に意味を見出すのか謎ですが、税理士会としてはいかにこの研修受講義務というものを重要視しているかが伺えます。


今回はそんな税理士の研修受講義務について、わたしが思うことを書いてみようと思います。

税理士の研修受講義務とは

まず、税理士の研修受講義務について簡単に触れます。
税理士の研修受講義務とは、毎年4月~翌年3月の間に税理士会が認める研修を36時間受けなければならないというものです。
※一応税理士法の中に条文があって、各税理士会の会則でも同様の内容が規定されていたような


その目的は税理士たるものしっかり勉強して税理士としての資質を高めておかないといけないといった内容だったと認識しています。


なお税理士会の認める研修とは、主なものは税理士会の支部の例会等で行われる研修や、マルチメディア研修というWEBでの研修です。他には税務関係の出版社等が開催する研修も一部は受講記録がつくよということを売りにしてよく開催されていますね。


そんな研修受講義務ですが、最近は結構口すっぱく税理士会の例会等でも研修部長等から「36時間達成しましょう」とアナウンスがある印象です。


どうも支部単位、県単位等で達成率を集計しているらしく、ウチの支部(県)は何番目とかと競っているような気がします。とにかく税理士会としてはなんとかしてこの研修受講義務の達成率を上げたいようです。


ちなみにこの研修受講義務ですが、義務といってもあくまで努力義務になります。そのため、36時間の受講義務を達成できなかったとしても、税理士を辞めさせられるといったことはなく、せいぜい冒頭のサイトに達成率が公表されたり、支部の例会等で「達成していない方々はがんばりましょうね」といったことを言われるくらいかなと思います。

研修受講義務についてわたしが思うこと

続いてわたしが研修受講義務について思うことを書いてみます。


わたしは普段はWEBでの研修ばかりを受講しています。なのでWEBでの研修の話になりますが、ここ数年は税理士会がこの研修内容の充実にとても力を入れていて、実際ためになる研修が増えているという実感があります。


また、倍速再生が利用できたり、画面で資料を見せながら進行してくれたりと利便性も高いです。個人的には1時間くらいの比較的短時間の研修が増えたのも嬉しいですね。


正直2時間以上の研修とか眠いだけですからね。


この手の税理士会の研修だとたいがい、研修の感想とかのアンケートの募集があります。わたしは当初から研修時間は短くしてほしいようなことを回答していたのですが、恐らく同じことを考える人が多かったのかなと思います。


このように研修内容の充実を実感する日々ですが、その裏には研修を充実させるために尽力されている方々がいらっしゃいます。そういった方々には感謝を述べたいですね。


一方で、この36時間の達成というものにあまりにも囚われすぎなんじゃないかなと最近思います。どうもとにかく36時間達成すればそれで万事問題ないということになっているような。


実際、当日参加してないので真実は定かではありませんが、とある例会のタイムスケジュールだと、1時間5分の枠の研修で2時間でカウントします!とか書いてあったような。このような時間の盛り方はさすがに一度だけですが、2,30分の水増しなら日常茶飯事という印象です。


そこまでして、時間を稼いで36時間を達成したところで何の意味があるんだろうと思います。それに税理士会の例会での研修や県単位の大規模な研修に参加してみるとわかりますが、ほとんどの人は寝ています。わたしも半分は寝ています。だいたい午後の眠くなる時間に開催され、その内容も通達等がびっしりと書かれた資料をもとに行われるので無理もないかなと思います。


もちろん、真面目に研修を受講している方もいるとは思いますが、わたしの印象として相当の割合は寝ているか内職をしているかと。


それにWEBでの研修もBGMとして流しているだけとか、適当にシークバーを進めて受講記録をつけている方も必ずいるはずです。


そういうことを考えると、税理士会が36時間の達成にやっきになっている様子を見るとなんだかなと思うしだいです。


研修受講義務のその目的はもっともだし、実際研修の充実化に尽力されている方々の努力はすさまじいもので、その恩恵を受けている身としてはそういった方々に頭が上がらないのですが、一方で最近の「36時間は必達だ」という風潮については、どうも手段の目的化的なことが起きているなと思いますね。

まとめ

今回は税理士の研修受講義務について思うことを書いてみました。


ちなみにわたしの受講記録は税理士登録以来ずっと36時間は達成してきたと記憶していますが、去年は未達成でした。言い訳ですが、息子が生まれるということで最後の追い上げをする気力がありませんでした。


今年は順調で、あと11時間だったかと思います。ブログを書くようになったのでそのネタ探しでも重宝していますので、今年はまずクリアは余裕ですね。


個人的には特にWebでの研修はとても有効に活用させてもらっています。このまま継続してもらえると大変ありがたいですが、一方でそのために誰かが犠牲になっていたりすると嫌だなと思います。


適切に払うものは払ってできる範囲で継続してもらいたいと思います。


一方で、昨今の「36時間を達成せよ」という流れはどうかなと思うしだいです。


■編集後記
昨日はブルーロックの二期を見ました。
相変わらず面白そうです。
漫画は読んでいませんが、たしかわたしの好きな馬狼も今回の話の中で見せ場があったはず。
今から馬狼の活躍が楽しみです。

■一日一新
視線トラッキング