会社の数字の見方で、原価も含めた経費を変動費と固定費に分ける方法があります。
損益分岐点の売上を計算したりするあの見方です。
この見方をするときにまずは経費を変動費と固定費に分けることになりますが、今回はこの分け方について取り上げてみます。
変動費と固定費を分けることは難しい
変動費とは売上に比例して増減する経費のことを言います。
変動費は基本的には原価の科目と考えてもいいですが、業種や経理方法によっては原価以外の科目にも変動費になるような科目が処理されているので注意が必要です。
固定費は変動費以外の経費で、売上に関係なくほぼ一定の金額が発生するような性格があります。
この変動費と固定費ですが、分けるのはなかなか難しかったりします。
たとえばパン屋さんなら材料代は変動費で悩まないでしょうが、アルバイト代はどうでしょうか。
売上が増えればお店が忙しくなるから、その分アルバイト代も高くなるように思いますが、その程度は材料代と同等に売上と比例するのかなとか考えていくとどうだろうと思ったりします。
まあわたしだけかもしれませんが。。。
この点、分かりやすく(思い切って?)材料代だけを変動費としてカウントすると決めたりしてもいいと考えています。
材料代だけだとちょっと寂しいなら、包装代や水道光熱費、アルバイト代など分かりやすいものをエイやっと変動費としましょう。
変動費と固定費をその性格ごとにきちんと分けられれば理想ですが、それよりも大事なのは社長の認識とその変動費と固定費の区分けをキチンと揃えることです。
社長の認識とのズレがあると、いざ変動費が高いなとなって何か対策を考えようにも、認識と数字にギャップがあり、ちぐはぐな議論になりがちですからね。
最初は完璧じゃなくていいので分かりやすいものだけ変動費にして、後から適宜直していけばいいのかなと思います。
CORREL関数を使って相関関数を調べてみる
基本的には変動費と固定費は社長の認識や一般論を参考にして分けることになります。
一方でExcelのCORREL関数を使って、相関関数を調べてその値で変動費の当たりをつけることも可能です。
以下の表は飲食店の経費の相関関数を表にしたものです。

表は適当にChatGPTに作ってもらいました。
相関関数のセル(仕入の行)には「=CORREL($B$2:$M$2, B3:M3)」と入力されています。
相関関数は-1~1で表されますが、0だと無関係、1に近くづくほど比例、-1に近づくほど反比例ということを示します。
したがって、1に近ければ変動費の可能性が高いわけです。
今回はAIに考えてもらった数字なので綺麗に仕入、アルバイト代、水道光熱費の相関関数が高くこれらが変動費という結論になりますが、自社の数字でこのような表を作ってみて相関関数を調べ変動費の当たりをつけるのも一案です。
まとめ
今回は変動費と固定費の分け方ということで取り上げてみました。
あんまり考えすぎても前に進みませんので、ある程度でそれこそ分かりやすさ重視でもいいかなと思います。
そして徐々に変動費と固定費の区分の精度を上げていくそんなイメージです。
大事なのは社長の認識とのズレがないことだったりもしますので。
また、CORREL関数を使って変動費を洗い出すやり方もあります。
これもAIに決算書を読み込ませればチャチャっと表にしてくれるのかもしれませんね。
それと、これまで触れていませんが、一つの科目の中に変動費と固定費が混ざっているなんてこともありますので、その点も注意しましょう。
ただ、何度も書いていますが最初から厳密に分けようとすると大変なので最初はある程度でやっていきましょう。
■編集後記
また、わたしも妻も風邪をひいています。
あきらかに息子が保育園に通うようになってから風邪を引くことが増えました。
これだけ頻繁に風邪を引くなら、自分が勤め人だったら大変だったろうなと思います。
個人事業主で良かったです。
■一日一新
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