源泉所得税の経理処理は難しいですね。
源泉所得税は預り金で処理しましょう。
源泉所得税は預り金
源泉所得税はお給料や報酬を払うときに、支払う側が一定の所得税を差し引いて(預かって)、受取側の代わりに税務署に納めるものです。
したがって、源泉所得税は預り金です。
たとえば、税込110,000円の報酬を払うなら、源泉所得税は10,210円となりますが、110,000円の報酬を経費として計上しつつ、預り金10,210円、残りの99,790円を預金等で処理する必要があります。
仕訳なら以下のイメージです。
報酬 110,000 / 預金 99,790
預り金 10,210
ちなみに預り金は負債です。
貸借対照表の貸方(右側)に計上されます。
そして、預かった源泉所得税を納付する際には科目を預り金で処理します。
仕訳なら以下のとおりです。
預り金 10,210 / 預金 10,210
源泉所得税という税金なので、なんとなく租税公課で処理しがちですが、源泉所得税は預り金と覚えておきましょう。
預り金は納付をしたら0になる
今の時期は源泉所得税の納付の時期です。
そこで、最近納付をしたよとか、これから納付するよという方も多いと思います。
先述したように源泉所得税を納めたら科目は預り金で処理します。
ここで注意していただきたいのが、納付をしてそれを会計に反映させたら、預り金の科目は基本的に0になるということです。
源泉徴収の対象になる支払いをして源泉所得税を預かった、そして納付の時期が来て納付をしたという流れなので、納付をしたら預り金は0になるはずです。
もちろん7月1日~納付日の間にまた新しく源泉徴収が必要な支払いをしていればそこで預かった源泉所得税の金額は残ります。
言い方を変えるなら、預り金の金額は常に次に納付をするときの金額になっているとも言えます。
源泉所得税を納めたら預り金で処理をする、そして預り金が0(理論値)になることをセットで確認するようにしましょう。
もし預り金が0にならないなら、それは納付書の金額に間違いがあったとか源泉徴収がある支払いをしたときの処理に間違いがあった、といったことが考えられます。
こういうときは面倒ですが、落ち着いてどこで間違いがあったのか確認するようにしましょう。
これを放置してしまうと、そのうち収集がつかなくなりますので、納付をしたタイミングと決算のタイミングで必ず預り金が0になっていることは確認したいものです。
まとめ
源泉所得税は預り金です。
租税公課ではありません。
もし、判断に迷うことがあれば、一度落ち着いて源泉徴収の制度の仕組みを思い出してみましょう。
受取側の代わりに預かって、その人の代わりに税務署に納める、突き詰めればそれだけです。
■編集後記
源泉所得税の経理は難しいですね。
わたしも昔はよく間違えていたような気がします。
突き詰めると、預かってそれを納めるだけです。
なので事実を淡々と記録して集計して納めるそんな感じです。
ただ、これがなかなか難しいんですよね。
あと、この支払は源泉徴収が必要かという話も難しいですね。
この点は判断に迷ったら素直に税理士か税務署に聞いてしまうのがオススメです。
■一日一新
デーツ