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年末調整を廃止することについて

考えたこと

某大臣が自民党の総裁選に立候補するということで、将来的には年末調整を廃止して、その代わり国民全員が確定申告するようにしたいといった発言をされたようです。


ちょっとネットの記事やXの投稿を読んだだけなので、もしかしたらミスリードしているところもあるかもわかりませんが、年末調整廃止と国民全員が確定申告をすることについてわたしの考えを書いてみようと思います。


今回は年末調整の廃止についてまとめてみました。

年末調整はメンドクサイけど廃止するのはどうなんだろう

年末調整はメンドクサイですね。近年のわけのわからない改正でそのメンドクササはとんでもないことになっています。


税理士でもこんななので、きっと会社の経理の方が年末調整を担当するなら余計大変だと思います。まあ、その手の経理の方の方が余程わたしより年末調整に関してはスキルがあったりするかもですが。


余談ですが、以前租税教室で小学校を訪問した時に対応してくれた先生が、小学校の先生は持ち回りで学校の職員の年末調整を担当するんだと仰っていました。


その方はその年が担当らしく、憂鬱だとのことでした。先生になって年末調整をするなんて思いもしなかっただろうに、ひどい罰ゲームだなと思いましたね。


さて、某大臣の年末調整廃止論は恐らくマイナンバーを活かせば、手間なく確定申告ができるから、年末調整なんて面倒な作業はやめてしまいましょうといったものだと思います。


年末調整やその前提となる源泉徴収の制度ってたしかに雇用者から見れば、面倒な手続きで国が税金の徴収の仕事を押し付けているととれますよね。


それに従業員から見ても毎年年末調整の時期にわけのわからない書類を書かせるといったイメージの方も多いでしょうし、安定的な税収の確保とかいう国の都合を押し付けられているといった側面があるのは事実だと思います。


でも、日本全体のことを考えればやっぱり年末調整や源泉徴収って優れた制度だと思ったりするところです。


税金徴収の仕事の押し付けの話は税務署にもキャパがあるわけで、ただでさえ人手不足で頑張っているなかで、雇用側が従業員の税金計算をしてくれれば助かるのは事実なんだと思います。


それに従業員だって会社に任せておけばなんやかんや確定申告が完了するわけですから、助かっているという側面はあるはずです。


安定的な税収の確保の話も日本のことを考えればそれがあった方がいいのはなんとなくそうなんだと思います。


また、よくも悪くも年末調整や源泉徴収は日本に馴染んでいるわけです。そのため、今更廃止するのもどうかなと思います。

制度を簡便にする方が先だと思う

個人的には、そんな年末調整の廃止なんてしなくても、とりあえず所得控除や税額控除など複雑化しすぎている今の制度を簡便にすることを優先した方がいいと考えています。


基礎控除なんていい例ですよね。基礎控除なのに所得制限を設けるとか大義も何もないと思いますけど。制度を作っている人たちはあの年末調整の用紙の裏面を読んだことがあるのでしょうかね。


もっとシンプルな制度にすれば、これまで散々だったのでその分負担感も減るでしょうし、まずは制度の見直しをするのが先決だと思います。


そしてそれをできるのが政治家なわけで、「わけのわからない所得控除や税額控除をもっとわかりやすくします。時代にあってなかったり不必要な制度は廃止も検討します」と発言する方がいればわたしは推したいですね。


それに将来的にマイナンバーを活かして簡単に確定申告をと考えるなら、計算過程が簡単な方が上手くいく確率は高いはずです。今の複雑化しすぎた制度だとあっちこっちに要件の確認が必要で大変だと思います。


そういう意味でもまずは複雑化した制度を一度解きほぐす工程が必要だと思います。

まとめ

今回は年末調整の廃止についてわたしの考えを書いてみました。個人的にはとりあえず今の複雑化した制度にメスを入れるのが先決かと思います。


そこを見直すのと、マイナンバーで上手く所得控除等の情報が集められて計算ができるような仕組みがもっと広まればそんな年末調整の廃止なんてしなくてもいいような気がします。


とはいえせっかくなので、年末調整が廃止できるか検討してみようと思います。


まず、所得控除の内、物的控除の類なら恐らく今もある程度マイナンバーに集約させるようなことができる仕組みができているので問題なさそうですね。この点は保険会社や中小機構等に対応させればなんとかなるのでしょう。


給与から天引きしている社会保険料に関しては恐らく雇用主が申告する必要があるかもですが、どのみち給与の金額も集めないといけないので、給与データは引き続き雇用主が申告することになるのでしょうかね。


人的控除は恐らく自治体の方で管理をしてそこから情報を吸い上げればなんとかなるんでしょうかね。所得の要件なんかは前年の実績を参考にとりあえず判定してきて確定申告のときに本人に適宜修正をさせる。


ローン控除は銀行から情報を集めればなんとかなるのでしょう。初年度はどうしても自分でとはなる気がしますが。


今も年末調整で考慮できない所得控除等に関しては確定申告で申告ということがありますが、これも年末調整を廃止したとしても、一部はとりあえず自動計算してくれて適宜修正や追加をすると。


なんやかんやいけなくもない気がしますね。まあでもとりあえずの仕組みができても誰もが使いやすいものになるかは別問題なのでその点が一番の壁かもわかりませんが。


■編集後記
昨日は河童軒というチャーハンが有名な中華料理屋さんに行ってきました。
メディアでよく紹介されている人気店です。
ちょうど昨日も何やらカメラを持って取材をされている方がいらっしゃいました。
注文はとりあえずラーメン半チャーハンセットにしました。
チャーハンは見た目はかなりしょっぱそうですが、食べてみるとちょうどいい塩加減であっという間に食べてしまいました。
何より接客がテキパキしていて気持ちよかったです。
丼系もボリュームがあっていかにも野郎飯って感じで美味しそうでした。
次は丼系にチャレンジしようと思います。

■一日一新
河童軒