税理士の仕事は、ある程度同じような仕事の繰り返しです。
そうすると、いつのまにか「慣れた」と感じる瞬間があります。
慣れることで仕事は速くなりますが、一方で怖さもあるのではないかと思っています。
慣れると効率的になる
慣れることの大きなメリットは、やはり効率化です。
わたしであれば会計ソフトへの入力や、税務ソフトでの申告書作成は、さすがにかなり慣れています。
20代前半のころと比べれば、同じ仕事でも、まず短時間で終わらせることができると思います。
また、力を入れるところ・抜くところのメリハリも少しずつできるようになりました。
「ここはミスが起きやすい」
「ここは後から修正が大変」
「ここはリスクが大きい」
といったポイントも経験の中で分かってきました。
逆に、「ここは間違い(調査で指摘)があっても、大きな問題にはなりにくい」といった感覚も身に着いてきたように思います。
慣れているからこそ、無駄に悩まず進められる。
これは経験の積み重ねによる強みだと思います。
慣れると適当になりやすい
一方で、慣れることには怖さもあります。
別の言い方をすれば、「いいかげんになりやすい」ということです。
たとえば、数百円、数千円の取引。
税額にほとんど影響がないので、「まあこのくらいなら」という考え方もあります。
実際、重要性という観点では、それ自体は合理的ともいえます。
ただ、
「どうせ影響ないから確認しない」
「間違っていても大した金額じゃない」
と開き直る感覚には、少し怖さがあります。
わたしが、ちょっと細かい性格というのもあると思いますが。
たとえば、軽油代の取引。
本来は軽油代の本体部分と軽油税部分を分けて仕訳登録をすべきです。
これを「どうせ少額だから」と無視して、全額を課税取引としてしまう。
こういうスタンスが、あまり好きではありません。
もちろん簡易課税を適用しているとかなら、そこは無視でもいいでしょうし、実際、軽油税が分かる資料がない場合には、そのような処理も認めると明文化されていたと思います(たしか)。
ただ、原則課税にもかかわらず、「最初から軽油税を分けなくていい」と考えてしまうのは、少し違うのではないかと思っています。
便利な仕組みほど疑う意識も必要
最近は、会計ソフトと銀行口座やカード情報を連動させれば、自動で仕訳が作られる時代です。
AIも含め、便利な仕組みはどんどん増えています。
もちろん、便利になること自体はとても良いことです。
ただ、便利だからこそ「どうせ合っているだろう」と盲目的になりやすいとも感じます。
実際、自動仕訳が微妙に違っていることはなんやかんやあります。
わたしだけかもしれませんが、それに気付いて修正するのは、なかなか億劫というか難しいというか。
よくよく気をつけていないと、「どうせ合っているだろう」と素通りしてしまいがちです。
また、AIの回答がもっともらしく間違っていることもあります。
とくに自分の専門分野以外について聞くときは、注意しないとなと思っています。
慣れることや便利になることは、仕事を続けていくうえで必要です。
ただ、その一方で「本当に合っているか」を確認する感覚まで失わないようにしたいものです。
効率化と丁寧さ。
そのバランスは意識していきたいなと思います。
■編集後記
先日、保育園の連絡帳に、息子がたんぽぽをマイク代わりにして、十八番の「はたらくくるま」を歌っていたと書かれていました。
なんだかその様子を思い浮かべて、夫婦でとても癒やされました。
妻はカラオケが好きなのですが、この調子でそのうち息子が一緒に行ってくれるようになるといいなと思っています。
わたしは歌うのが苦手なので。。
■一日一新
灰色の犬 Audible


