今回は経理の初心者向けに固定資産台帳を作成する際の注意点にまとめてみたいと思います
固定資産台帳とは
そもそもの固定資産台帳とはという話ですが、10万以上の資産を購入した場合、会計や税務では固定資産に該当して減価償却が必要になるのが通例です。
その際にほとんどの会計ソフトでは、まず購入時に固定資産の科目で資産計上をし、それとは別に固定資産台帳にその資産の内容の登録もします。
資産の内容というのは、その資産の種類(勘定科目)、取得日、事業供用日、取得価額、減価償却方法、耐用年数といった情報です。
これらの登録をすると固定資産台帳で減価償却費の金額が計算されるので、その金額を毎月なり決算時に減価償却費として会計に登録をします。
また個人なら決算書、法人なら別表16等の書類に固定資産台帳の内容が連動するのが一般的です。そのため経理をする以上、固定資産台帳の作成はまず避けては通れないことです。
固定資産台帳を作成する際の注意点
では固定資産台帳を作成する際の注意点についてです。
勘定科目や取得価額、償却方法、耐用年数といった基本的なことを適切に登録することも、もちろん大事ですが、今回は次のようなポイントを紹介します。
- 同種の入れ替えが多い資産についてはどの資産かわかるようにしておく
- 償却資産税の申告も意識して登録する
- 毎年、固定資産台帳に登録されている資産の現存確認を行う
- 中古資産については中古耐用年数の特例を適用するか検討する
同種の入れ替えが多い資産についてはどの資産かわかるようにしておく
例えば、不動産貸付業を営んでいる場合で賃貸物件の部屋面積が広いと、エアコンの単価も10万以上ということも多いです。そうすると固定資産台帳に部屋数の分だけエアコンの数が増えていくといったことになります。
この場合、エアコンの名称を「201号室エアコン」とか備考欄に部屋番号や物件名を登録しておくことをオススメします。こうすることで、のちにエアコンを取り替えた際に固定資産台帳の登録がスムーズに行えます。
エアコンに限らずパソコンも同様です。パソコンとだけ登録していると購入当初はすぐにあのパソコンとわかりますが、数年もたてば固定資産台帳に登録された購入日や取得価額をヒントにあれかな、これかなと該当するパソコンを探すということになりがちです。
あとで面倒なことにならないためにも、資産によっては当初の登録から資産名称や備考欄の登録を工夫することでどの資産かわかりやすくしておくことをオススメします。
償却資産税の申告も意識して登録する
償却資産税の申告とは毎年1月に市区町村に対して行う、土地や建物、車両等を除いた事業に使っている固定資産の申告のことです。基本的には固定資産台帳の登録内容をベースに申告をします。ソフトによっては連動して申告書を作成することもできます。
そのため固定資産台帳を作成する際には償却資産の申告も見据えておくことが重要です。
ポイントとしては一括償却という償却方法を選択すると償却資産税の申告対象から除外できるという点があります。
一括償却とは、10万以上20万未満の資産について適用できる償却方法で3年間で取得価額を3で割った金額を減価償却費として計上することができます。
一括償却を選択できるということは少額減価償却資産の特例も適用できるので、基本的にはどちらを選択するか検討することになります。ある程度その時の経費を増やすことにこだわりが無ければ、あえて一括償却を選択して償却資産税の対象資産から除外してしまうのも一案です。
毎年、固定資産台帳に登録されている資産の現存確認を行う
理想は一度固定資産台帳に登録をした資産を売却や廃棄した場合には、その都度固定資産台帳もその旨を登録したほうがいいです。ただ意外と面倒なので後回しにしがちで、気付いたら固定資産台帳には過去に売却等をして現存していない資産が残っているなんてこともありがちです。
そうならないためにも固定資産台帳の内容は決算のときだけでも実際の現状と確認をとることをオススメします。
中古資産については中古耐用年数の特例を適用するか検討する
中古資産を購入した場合、中古耐用年数の特例という耐用年数の特例の適用ができます。
中古の分、新品より耐用年数は短くして減価償却費を計算していいよという特例です。
この特例ですが、購入年にこの特例を適用しないと、翌年以降にやっぱり中古耐用年数で申告したいと思っても、そのときからの耐用年数の変更や更正の請求ができないことになっています。
そのため中古資産を購入したら、購入年に中古耐用年数の特例を適用するかしっかり検討をし固定資産台帳にその旨を登録する必要があります。
まとめ
今回は固定資産台帳を作成する際の注意点についてまとめました。
固定資産台帳の作成は個人的には面倒くさいです。
そのため、会計への固定資産への登録はして、固定資産台帳の登録は後回しにしようといったことをしたくなります。
ただ、それで後回しにしてしまうと、後々さらに面倒になることは明白です。
その都度その都度、会計の登録と固定資産台帳の登録もセットで完了させるのが経理をスムーズに行うポイントです。
そして固定資産台帳への登録の際には今回紹介したような将来を見越しての登録もしておくことをオススメします。
■編集後記
昨日は家族でららぽーとへ。
気になっていたゴディバの新店舗でクレープを食べました。
さすがゴディバなので強気な値段設定でした。
美味しいけど、マリオンクレープで十分かなと思いました。
割と行動圏内にはクレープ屋が多いです。
一人で買うのは少し恥ずかしいので、家族で出かけたときによく食べています。
■一日一新
ゴディバデザート