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税金の前に目的を

税金

たまに、「それって節税になりますか?」というご相談を受けますが、
話を聞いていくと、そもそも何のためにそれをやるのかが曖昧なケースも少なくありません。

要件を満たせばOK、では少し危うい。

税金の前に目的を考えておきたいところです。

節税ありきの判断は危ない

税務では、要件を満たしているかどうかは重要です。
ただ、それだけで判断してしまうと、後から説明に困ることがあります。

この処理をすれば経費になる、
この形にすれば節税になる、
といった情報は多いですが、理由が税金が安くなるからだけだと、
実態とズレてしまうこともあります。

税務調査では、
なぜその取引をしたのか、
どういう経緯でその形にしたのか、
といった背景も見られます。
ここが説明できないと、形式的には問題なくても(なさそうでも)リスクは残ります。

判断の軸はそれをやるもっともな目的や理由があるかどうか。
本来、節税は結果であって、目的そのものではないはずです。

事業所得の赤字で損益通算

今年の税務相談で妙に目に付いたのが、事業所得の赤字を他の所得と相殺するケースです。

もちろん、制度としては認められています。
また、様々な理由で赤字になってしまうことがあるのも事実です。
しかし、赤字にすれば税金が下がるという発想が先に来てしまうと注意が必要です。

事業所得として申告する以上、その仕事で継続的に利益を上げていく意思が前提になります。
つまり、それで食べていくというスタンスです。

にもかかわらず、赤字が続いている場合、
実態としては副収入や趣味に近いと判断される可能性もあります。

その場合、本来は雑所得での申告が妥当という結論になることもあり得ます。

事業所得にすれば損益通算できる、ではなく、
そもそも事業として成り立っているか、という視点が先にあるべきです。

目的を語れるか

では、どう考えるべきか。
目的を語れるか、という視点が大事です。

なぜこの取引をするのか
なぜこの形でお金を使うのか
どんな背景や必然性があるのか

こういった点を、自分の言葉で説明できるかが判断のポイントになります。

もちろん、目的の中に節税が入ること自体を否定するものではありません。
節税にもなるし、という形で新しいことにチャレンジするのは前向きな判断だと思います。

ただ、あまりにも節税という目的が先行し過ぎている場合は注意が必要です。
後から理由を問われたときに、説明が苦しくなってしまうからです。

たとえば、新しい事業に挑戦して初年度に赤字になるのは自然なことです。
そこには将来の売上につなげるという目的があります。

一方で、節税になるからといった理由だけの支出は、同じ経費や赤字でも中身が違います。

税金はあくまで結果の話です。
目的のために動いた結果、税金がこうなった、という順番を意識しておきたいところです。


■編集後記
村田夏佳さんという方のイラストが好きです。
柴犬をモチーフにした作品をよく描かれていて、
柴犬のイラストを描く方はたくさんいらっしゃいますが、その中でも一番好きかもしれません。

今度、練馬の方で個展があるようです。
ちょうど妻が昔住んでいた場所の近くらしいので、機会があれば一緒に行ってみるのもいいかなと思っています。

■一日一新
しばいぬときせつのごはん・おやつ 絵本