お客様と打ち合わせをしていると、「このお金はどこから出ましたか」とお聞きすることがあります。
聞かれた側からすると、「仕事に必要なものを買ったのだから、それで十分では?」と思うかもしれません。
しかし、税理士にとっては支払いの内容だけでなく、お金の出どころも重要な確認事項です。
税理士が見ているのは「誰が払ったか」
たとえば、仕事で使う車を買ったとします。
その車が仕事に必要なものであれば、経費(減価償却)として処理すること自体に大きな問題はありません。
ただ、このとき税理士が気になるのは、「何を買ったのか」だけではなく、「誰が払ったのか」です。
仕事用の口座やカードから払ったのか。
銀行からお金を借りて払ったのか。
家族からお金を借りたのか、それとも出してもらったのか。
同じ車を買ったしたとしても、お金の出どころによって会計上の処理は変わります。
もちろん、仕事用の通帳やカードの明細などから支払い方法が分かるのであれば、あらためて確認する必要はありません。
一方で、支払いの状況が資料から読み取れない場合には、「そのお金はどこから出ましたか」という確認が必要になるのです。
会計ではお金の流れがつながっている必要がある
会計では、経費や売上といった損益の側面だけでなく、その取引によってお金や財産がどう動いたのかも合わせて記録します。
これを複式簿記といいます。
そのため、「車を買いました」という事実だけでは会計処理は完成しません。
「そのお金をどうやって支払ったのか」まで記録する必要があります。
たとえば、仕事用口座から200万円が出ていれば、その支出と車の購入という事実がつながります。
一方で、仕事用口座からはお金が出ていないのに、車の購入資料だけがある場合には話がつながりません。
その場合は、
・プライベートのお金で立て替えたのか
・割賦で払うのか
・家族からお金を借りた(もらった)のか
といった確認が必要になります。
個人事業主の場合、仕事のお金と生活のお金が混ざることは珍しくありません。
そのため、お金の出どころが分からないこと自体はよくある話です。
しかし、そこを確認しないままでは、会計全体の整合性が取れなくなってしまいます。
出どころが分かれば対策も考えられる
税理士が「そのお金はどこから出ましたか」と聞くのは、単なる確認作業ではありません。
出どころが分かれば、それに応じた処理や対策を考えることができるからです。
たとえば、プライベートのお金で立て替えていたのであれば、その内容を会計に反映すれば済みます。
また、「家族がお金を出してくれました」という場合もあります。
その場合、お金を借りたのであれば借入ですし、返す予定がないのであれば贈与という話も出てきます。
また、贈与として扱われる可能性があるのであれば、それを回避するためにどうするか、といった検討にもつながります。
税理士がお金の出どころを気にするのは、細かいことを聞きたいからではありません。
取引の実態を把握し、適切な会計処理や税金の問題が起きないようにするためです。
「そのお金はどこから出ましたか」。
一見すると些細な質問ですが、税理士からすると会計や税金を考えるうえで欠かせない情報です。
だからこそ、お金の出どころについて確認させていただくことがあるのです。
■編集後記
真田丸がアマプラで見られるので、仕事中にときどき流しています。
ようやく小田原合戦が終わりました。
これでようやく折り返し地点のようです。
私はリアルタイムでは見ていなかったのですが、シリアスとコミカルのバランスが良く、また俳優陣のキャスティングも非常に良いと感じます。
当時よく話題になっていたのも頷けます。
これからの展開も楽しみです。
■一日一新
大将うどん

