住宅の購入や事業資金など、何らかの理由で親からお金を借りることもあると思います。
その際、「親子なんだから利息はなしでいいよね」と考えることも少なくありません。
しかし、税務上は少し注意が必要です。
無利息だと利息相当額の贈与とみなされる可能性がある
親子間でお金を貸し借りするとき、「親子だから利息はいらない」というケースは少なくありません。
しかし、税務上は無利息でお金を借りると、本来支払うべき利息の支払いを免除されたと考えるのが原則です。
そのため、お金を借りた子どもが、利息相当額の利益を受けたとして、その部分について贈与を受けたものとみなされる可能性があります。
少額なら贈与税がかからないと考えられている
とはいえ、無利息の借入だからといって、必ず贈与税が課税されるわけではありません。
・受けた利益が少額であること
・課税上の弊害がないこと
といった場合には、贈与税の課税をしないものとされています。
では、どの程度なら少額であり、課税上弊害がないのでしょうか。
実は明確な金額の基準はありません。
一般的には、利息相当額が贈与税の基礎控除額である年間110万円以下であれば、少額として許容されていることが多いようです。
まあ、利息が110万円以下になるなら、たとえ贈与とみなされても、どのみち贈与税がかからないということになりますからね。
また、利息相当額を計算する際の利率については、過去の裁決では民法上の法定利率を用いて算定しています。
法定利率は以前は5%でしたが、現在は3%です。
※他には、親子のどちらかが銀行からお金を借りていれば、その利率を参考にしたり、会社が役員に貸し付けるときの利率(特定基準割合)を参考にすることが考えられます
たとえば、親から1,000万円を借りた場合、単純計算だと、
1,000万円 × 3% = 30万円
となります。
年間30万円程度であれば、少額ないし課税上弊害がないとして考えていいのかなと思います。
一方で1億円を無利息で借りたとして、3%の利率なら300万円となります。
このくらいになると、110万円を超えますし、常識的に考えても問題視されてしまうのかなと思ったりします。
行き過ぎれば課税がある、ということですね。
余談ですが、他に贈与を受けていて贈与税の申告をする場合、この利息相当額まで含めて申告すべきかどうかは悩ましいのかなと思ったりします。
実際、どうなんでしょうか。
30万円程度の利息相当額であれば結局のところスルーしていいようにも思いますが。
贈与(利益を受けたこと)とみなされること自体はなくならないように思うので、少し引っかかります。
そもそも、「借入」ではなく「贈与」と判断されることに注意
親からお金を借りる場合には、そもそも、そのお金が本当に借入なのかという点にも注意が必要です。
たとえば、
・返済する資力がない
・返済実績がない
・返済計画もない
という状況では、税務署から「実質的には贈与ではないか」と判断される可能性があります。
そのため、親子間のお金の貸し借りであっても、
・契約書や返済予定表を作成する
・実際に予定どおり返済する
・借入額や返済額が収入等から見て無理のない範囲である
といった点を整えておきたいところです。
また、利息を払うことも、「これは贈与ではなく借入である」という裏付けの一つになるのかなと思います。
親子間のお金の貸し借りは気軽に考えがちですが、税務上は「親子だから大丈夫」とは限りません。
むしろ親子間だからこそ厳しく見られます。
思わぬ課税が起きないように、税務上のリスクをきちんと理解した上で上手に行うようにしましょう。
■編集後記
最近考えたことに、自分の親にはほとんど子育ての相談をしないなということがあります。
何か困ったことがあれば、まず動画やAIに相談するのが当たり前になっています。
子育てに限った話ではありませんが、この傾向は少し危ういような気もします。
親から子へ経験や知恵が受け継がれていく機会が減っているようにも感じるからです。
これも時代の変化といえばそれまでですが、ふとそんなことを考えました。
■一日一新
しあわせのビーフカレーもう~とりこエキア志木店

